艦これSS置き場

□トラック泊地迎撃戦その後
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「優斗………寝てるみたいね。」

執務室に入った陸奥はソファで寝ている提督を見て、風邪引くわよ………と毛布を掛けた後、ぐっすりと眠る提督を見て微笑む。

「大変だったわね………」

最近、多少の事で彼は起きないと陸奥はわかってきたので、提督の頭を持ち上げて自分もソファに座り、そして自分の太股に載せる。

「お疲れ様………」

提督の頭を優しく撫でながら陸奥は労う。先日までトラック泊地近海に大量の深海棲艦が出現し、それの迎撃に追われていた。軽巡棲姫に、後続の空母棲姫………そして戦艦水鬼という規格外クラスの深海棲艦達も撃破し、泊地迎撃作戦を完遂させた。その後始末に追われていた彼はそれを片付け終え、力尽きた様だ。

「お陰で燃料と修復材が無くなったけど………」

燃料が残り800、修復材が34個。ギリギリだった。元々備蓄に心許なかったのだがそれでも戦艦水鬼を後一歩の所まで追い詰めた。そんな時、提督は皆にある指示を出した。

「相手も虫の息に対し、こちらは燃料残り1万に修復材が76個………よし皆、全力出撃だ。こちらが涸渇するのが先か、あっちが死ぬのが先か………チキンレースと洒落込もうじゃないか。」

そう言って彼は小破未満だろうと修復材を使い、疲れが取れ次第再出撃を繰り返し、遂に勝利した。

「半端に資材を残して失敗するより、いっその事全部使って失敗した方が後悔しないからってあんな命令を出すなんて………貴方らしいわ。」

気持ち良さそうに眠る提督に苦笑する陸奥だったが、ポツリと不満を溢す。
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