艦これSS置き場
□提督と陸奥とキスの意味in大晦日
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「ねぇ優斗。私って独占欲強いのよ?」
大晦日。紅白も終わり今年も後少しだと考えながら炬燵でくつろいでいた時、陸奥はそう言って俺の背中から抱きついてきた。
「そうなのか?」
只、甘えて来る様にしか見えないので聞いてみると、陸奥は妖艶な笑みを浮かべる。
「ええ、じゃないとこんな事なんてしないわ。」
そう言うや、俺の首筋にキスをする陸奥。慣れない部分にキスされたので、ビクッて身体が震えてしまった。
「っ!?……………まぁ確かにそうだよなぁ………首筋は執着だっけか?」
陸奥の方を向き、自信のない記憶を辿って聞いてみた所、嬉しそうに眼を細めて答えてくれた。
「ええ。意味は解るのね?」
「まぁ、昔少しね………」
偶々、キスの位置で意味が変わると知ったので、少しだけ調べていた事があった。いつか使える無駄知識だと思っていたが、まさかここで使う事になるとは。
「あらあら………なら実践しても良いのよ?」
「………もう少し勉強してからで。」
そんなハードルの高いことはできないので、そう答えると陸奥は不満そうにしていた。しかし
「なら………楽しみにしてるわね。」
そう微笑む彼女を見て俺の心が撃ち抜かれる。やはり俺はどうしようもなく陸奥に夢中だ。略してDMM。
「…………ごめんね。」
「………何が?」
しかしその微笑みはすぐに消え、伏し目がちに謝る。何故謝るのか?それがわからない俺は問いかける。
「………いきなりこんな事をして………嫌だった?」
顔を上げてそう聞いてきた彼女は不安そうにこちらを見つめる。瞳にうっすらと涙を貯め、少しだけ身体を震えさせている
「いや、そんな事は無いむしろ愛されている事を実感できて良かったよ。」
「でも………」
それでも不安そうにする陸奥に俺は彼女の髪に優しくキスをする。髪は思慕の意味だった筈。
「あっ………」
少しだけ驚く陸奥に構わず、今度は彼女に敬愛、恋慕、親愛、そして愛情を伝えた。
「優斗………」
「陸奥………」
愛情を伝えた後、お互い見つめあう。
「ふふふっ…………」
すると、急に陸奥が笑いだした。
「えっ?む、陸奥?」
困惑している俺に陸奥は涙を指で払いながら答えた。
「ごめんなさい。でも、もう少し勉強してからって言ってた矢先からいきなり実践するのは卑怯よ。」
「あっ…………」
陸奥にそう言われてから気付いた。不安そうな彼女を見て暴走していた自分が恥ずかしい。やはり俺はDMMだ。
「ごめん………」
「良いのよ。」
謝る俺に陸奥は何処か嬉しそうに返す。そして
「ねぇ優斗…………」
「うん?」
「私の事……………所有と支配して?私が離れないように私を縛り付けて欲しい…………」
そう言って俺の首にキスをする陸奥。もうそんな事を言われたら、もう止まらない止まれない。
テレビから除夜の鐘が聞こえて来る。
(まぁ、こんな大晦日でも、悪くないよな。)
俺はそう考えながら、ただ彼女を愛し続けた。
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