dream
□お話
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今はお昼休み。
仲の良い友達とお弁当を食べて、少し話して、友達は委員会があるらしく、忙しそうに教室を出て行った。仕方ない、席に戻ろう。
うーん、暇だ。というかぼっちだ。少し寂しいな。
ちらっと横を見ると、美しい姿勢で本を読んでいる幸村くん。
…美人さんだ。横顔も美しい。
暇だなあ。
特に何もすることがないので、幸村くんを観察する。
すると、視線に気づいたのか不思議そうにこちらを見てきた。
「…どうしたんだい?」
『ううん。暇だなーって』
「そうなんだ。俺の顔を見たって、何もいいことはないよ」
『そんなことないよ。幸村くんって姿勢良いよね、座っているだけで絵になる』
「ふふ、ありがとう」
幸村くんが本を閉じた。
あれ、本読まないのかな。
「俺で良ければ話し相手になるよ」
『え、本当?』
*
幸村くんとたくさん話をすることができた。
席が隣になってからよく話をするようになり、私の中では幸村くんはお友達になっていた。
だから、少しだけでも幸村くんのことを知ることができて嬉しかった。
植物が好きで、よく校庭の花壇や屋上庭園に行くこと。
今欲しい画集があること。
クラシックを聴くのが好きだということ。
「こんなに自分のことを話したの、テニス部以外ではじめてだなあ」なんて可笑しそうに笑っていた。
それが、「特別」のようで嬉しかった。
幸村くんとのお話は楽しいなあ。
――――
幸村くんとお話してみたいです。
きっと彼は優しく微笑みながら相槌を打つんですよ。素敵。
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2015.04.03