〜魔法使いの夢〜(長)

□夢一つ
2ページ/4ページ



白い、白い空間。
私はただ何も考えず立っていた。

いつの間にか貴方がいて私は嬉しくなる。
白い空間が明るいピンク色になった気がした。

私は貴方に触れたくて
抱きつきたくて貴方の側に行く
でも貴方は私に気づかないのか無表情だ。

どうしたのだろう。
なぜか、とても怖くなって
貴方の肩に手を置いた。

でも貴方の肩は冷たくて
私の手は貴方の体を通り抜けていく。

私の心臓に穴が空いて、冷たい空気が入ってくるような気がした。

なんで?なんでよ?
怖くて哀しくて何度も何度も貴方の肩に手を置こうとした。


それなのに何度やっても私の手は貴方の肩を通り抜ける。

余計に虚しくなって悲しくなった。

頬に生温いものがつたう。
貴方の口が動いた。

何を言っているのかわからないまま、プツリと意識が途切れた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ