〜魔法使いの夢〜(長)
□夢一つ
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白い、白い空間。
私はただ何も考えず立っていた。
いつの間にか貴方がいて私は嬉しくなる。
白い空間が明るいピンク色になった気がした。
私は貴方に触れたくて
抱きつきたくて貴方の側に行く
でも貴方は私に気づかないのか無表情だ。
どうしたのだろう。
なぜか、とても怖くなって
貴方の肩に手を置いた。
でも貴方の肩は冷たくて
私の手は貴方の体を通り抜けていく。
私の心臓に穴が空いて、冷たい空気が入ってくるような気がした。
なんで?なんでよ?
怖くて哀しくて何度も何度も貴方の肩に手を置こうとした。
それなのに何度やっても私の手は貴方の肩を通り抜ける。
余計に虚しくなって悲しくなった。
頬に生温いものがつたう。
貴方の口が動いた。
何を言っているのかわからないまま、プツリと意識が途切れた。