L!

□salty candy
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ほのうみ


綺麗な指先から口に放られた半透明なそれは、何だか無性に美味しそうに見えた。

「海未ちゃん、何食べてるの?」

練習合間の休憩中、鞄から何か取り出して口に放る海未ちゃんの背中に抱き付きながら聞いてみる。

「塩分補給に、塩飴を。食べますか?」

「うん」

甘くはないですよ?と付け加えながら、意識が鞄に向かったその隙に。

「むぐっ!?」

強引に顔をこっちに向かせて、唇を奪う。驚いたことで開いた口から、思ったよりあっさり飴を奪うことが出来た。

「ぷはっ、ほ、穂乃果、何を!?」

「う〜ん、確かに甘くはないなぁ」

「だから言ったでしょう!?っじゃなくて、」

「でも」

「…なんですか?」

「海未ちゃんの味がする」

「っ!!??」

「って、海未ちゃん!?」

思ったことをそのまま口にしたら、海未ちゃんは顔を真っ赤にして、卒倒してしまいました。気付け薬よろしく、塩飴を口移して返して上げたら、意識は戻ったけれど。

後でみっちり怒られました。
仕方ないじゃん、本当に海未ちゃんの味だったんだから。って言ったら、もっと真っ赤になって塩飴袋ごと顔面に投げ付けられた。

当然のことながら、そのまま食べても何だか味気ない気がする。
やっぱり海未ちゃんの口から食べたいなぁなんて言ったら、また怒られるから心の中にしまっておくことにした。



END
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