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□姉弟の葛藤
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「お姉ちゃん!遊ぼ!」
いいよ。何をして遊ぼうか。

「お姉ちゃん…学校でいじめられちゃった…」
え!?誰がやったの。そいつぶっ飛ばしてきてやるわ!

「姉さん、見て。テスト百点取れたよ」
あら、凄いじゃないりくくん!りくくんは賢いのね。

「姉さん、僕、」


「姉さんと結婚しようと思うんだ」
その言葉を聞いて、遊びに来てたタミヤくんは「はぁ?」と声を上げ、ダフくんは黙って凄い目でりくくんを見ていた。
「はあ、あのなぁカネダ… いいか?姉と弟は結婚できないって何回言えばわかるんだ」
「それくらい僕だって分かってるよ。でも、禁忌の恋とか言ってよく漫画とかドラマである」
「それはその漫画とかドラマの話だからだよ。それにこんな綺麗なラーメンお姉さんとたとえ結婚できてもカネダには勿体無いよ」
「そんなことはないよダフくん。それにタミヤくんとダフくんはそう言うけれど」
「「けれど?」」
「私、りくくんと結婚できるものならしたいもの」
その言葉を聞いて二人は深刻そうに溜息を吐いた。
だめだこの姉弟早くなんとかしないと、という目線を送られる。

「で、でも…だってりくくんは私の立派で誇りのある可愛い弟よ?私達が血縁関係でなければ絶対私はりくくんと結婚していたわ」
「そんなこと言ったら僕だって…姉さんと姉弟でさえなければ今頃結婚の手続きをしに行ってたもん」
「まずカネダおめーはまだ中学生だろー」
「それにさあ、光クラブもまだ活動してるんだから僕達忙しいじゃんか。確かにもう少女捕獲に成功したしそれがきっかけでライチは穏便になったしゼラは処刑とか物騒な事言わなくなったけどさ、姉さん姉さんって言ってたらゼラに愛が大人が云々って怒られちゃう」
「え?何言ってるの二人とも」
「ん?」「え?」
「僕がゼラと姉さんだったら姉さんを取るに決まってるでしょ」
「なあもうこの談義やめようぜ」
「帰ろう」
「そうだな」
「ま、待ってよ二人とも!」
荷物を持って立ち上がろうとする二人を必死で静止するりくくん。
うーん、確かに私達は普通の姉弟より仲良しかもしれないけど、そんな変かしら?

そしてりくくんが二人に私の魅力を語り尽くしてくれた。恥ずかしいけど嬉しいわ。語られてた二人は今にも吐きそうな顔で聞いてたけど。ごめんね。

「んじゃ、俺らそろそろ帰るぞ」
「待ってよタミヤくん!時間を口実に僕の語りから逃げるの!?」
「いや、もう外暗いよ!」
「じゃあ僕の家に泊まって…あ、それはだめ!二人に僕の姉さんが汚されちゃったら困る!」
「んなことしねーよバカ!確かにラーメンさんは綺麗だけどラーメンさんに何かしたらカネダ黙ってねえだろ」
「それにカネダもラーメンさんと過ごしたいでしょ?」
「あ、うん、それは…うん」
「だから僕達はお暇するよ」
「そ、それなら… うん。ありがとう、ダフ」
「いえいえ」
「…ダフ、上手いな」
「でしょ」
帰り際にそんなことを言いながら二人は帰っていった。
何が上手いのかはよくわからないけど。

「姉さん、やっぱり僕は姉さんと結婚したい…姉さんじゃないとやだよ…」
「とは言っても、やっぱり私達は姉弟なのよ?嘆いても仕方のないことだわ。それに」
「?」
「りくくんはまだ中学生。これから私よりも素敵な人がきっと出てくるはずだわ。それこそ光クラブの…カノンちゃん、だったかしら。あの子だってとても綺麗で素敵だわ」
「…でも!」
「でも?」
「僕は姉さんがいいの!姉さん以外やだ!」
りくくんがこう我が儘を言って駄々を捏ねるのは珍しい。
私のことを大好きと言ってくれるのはいつものことだと知ってるけれど、なんだか今日は一段と姉さん姉さんと言ってくる。

「りくくん、もしかして」
「…なに?」
「私が別の人のとこに行っちゃうとか、思ってる?」
「!」
ぎくり、とでも言うように体を震わせ、小さな声で「…うん」と呟く。やっぱり。

「大丈夫。私がりくくん以外のとこに行くわけないでしょ?りくくんのこと大好きだもの」
「…姉さん…」
りくくんにハグされたら私だってハグするし、キスされたらキスするし、ちょっと恥ずかしいけどえっちなことしたいならそれもしてあげるわ。
それくらいりくくんのこと大好きだもの。
そう言って聞かせたらりくくんは顔を真っ赤にして俯いちゃった。
本当に可愛い弟だわ。ふふ。


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カネダくんに夢を見すぎ感は感じてる カネダくんをどろどろに甘やかしてあげたいです
 

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