綺麗なものは好きですか?

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麗らかな春の陽気が漂う4月。
学校や会社の入学式、入社式が行われ、新たなことに巡り会えるかもしれないと思わせてくれる季節。

彼女もまた、そんな淡い希望に胸を膨らませている1人であった。
彼女の名前は『紀月成深』新大学生だ。
今まで、諸々の事情があり学校にあんまり行けていなかったこともあり、新しい場所での期待が人一倍大きい。
お気に入りのバラードを聞きながら、彼女はこれから入学式が行われる大学へ歩を進めていた。

そこにもう1人、同じ大学へ入学する青年がいた。
彼の名前は『光梨陽』明るく活発そうな青年だ。
人と接することが得意な彼は、小学校、いや保育園の時から皆の中心になって行動することが多かった。
大学へ行っても、また同じように充実した生活が送れることだろう。
それでも、未知の世界への希望を持ちつつ、大学へ向かって歩いていた。

彼らが通う大学は、中の上、もしくは上の下くらいの偏差値を持ち、自由な校風や、部活、サークルが多いこと、新しくセンスの良い校舎等で、人気の高い大学である。
少子化の時代ではあるが、倍率も毎年上昇しており、その中を勝ち上がってきた彼らは、勉強の分野ではしっかりしている人間と言えるだろう。
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