強くてニューゲーム

□入院
1ページ/5ページ

暗闇の中から、ゆっくりと意識が浮上してくる。

聞こえるのは、ピピッという機械音と誰かの息遣い。少し離れたところからは、誰かの足音。

消毒液のツーンとする匂い。


そして、意識が完全に覚醒した。






ってあれ!?

さっきまで、家の前にいたよね!?
んで警察の人を庇って、母にお腹を………………………刺されたんだっけ。


じゃあここは病院……………かな?



はは、笑う気にもなれないや。





そう言えば、この部屋の中に他にも人がいた………誰だろう?知り合いかna((

「ゆいちゃん、気がついたのね!」

かなり、憔悴しているけどこの顔、この声。これは……………

『叔母さん………』

声を出した筈なのに、声が出ない。
いや、違う。何かに遮られて、音が外に出ていないんだ。
そう言えば、私には、酸素マスクが付けられていたな。よし、外そう。

「ダメよ!マスク外そうとしちゃ!
待ってて、お医者様呼ぶから。」

ごめん、叔母さん。そんなの、待っててられないや。

カポッ

ふー、息はしずらいけどこっちの方がなんか楽だね。圧迫間がないからかな?

「叔母さん、叔母さんこそ大丈夫?」

「マスク外しちゃったの!?
…………ええ、私はなんとかね。叔父さんも、秀二も無事よ。
あのね、ゆいちゃんはね、3日間眠っていたのよ。」

3日間も!?

………あれ?

「蘭姉は?蘭姉は無事!?」

「………蘭は、亡くなったわ。」

目の前が暗くなった。私のせいだ。私があのとき、蘭姉と秀二を置いていかなかったら蘭姉は生きていたかもしれないのに。

遠くで叔母さんの声が聞こえる。
私を………………呼んでいるの?



ごめんなさい、ちょっと寝るね。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ