短編

□君のオモチャ
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「ねぇ、ここがいいんでしょ?」

「はぁっ…、あっあぁんッ!」


イルミが当ててるのは無機質な物体
それは小刻みに振動を与えている


ことの発端は遡ること1時間前ーー

「イルミ」

「どうしたの、親父」

「お前にやる」

父であるシルバに呼ばれて部屋に行ってみたら、黒い袋に入れられた小さな物体がテーブルの上にあげられている

「何これ?」

「……大人の玩具だ」

「大人のおもちゃ?」

聞きなれない言葉にイルミは聞き返す
シルバは自分から贈っている割には説明することを多少戸惑っている様に伺える

「要は女を喜ばす為の玩具だ」

「…?」

いまいち腑に落ちていないイルミだが、父からの珍しいプレゼントに内心喜びながら部屋を出た


中を開けて見てみるとピンク色の可愛らしいおもちゃだ
小さく丸みを帯びたものにリモコンと見て取れるものが短いコードで繋がれている
確かに女性に贈ったら喜ばれそうな可愛いものだ
自分が持っているのは勿体無い

早速イルミはサラを呼び出した



ーー


「イルミ久しぶり、どうしたの?」

「サラにプレゼント」

「え!?何、…毒?」

「違うよ」

失礼だな、と言いながらイルミは先程シルバから貰ったモノを差し出す


「……え?これを私に?」

「うん、嬉しい?」

「嬉しいというか、何というか…」

恥ずかしいのか顔を真っ赤にするサラ

「え、サラはこれが何かわかるの?」

「そりゃ、…わかるよ」

「何、教えて」

「え!?イルミ…知らないの?」

「…知らない教えて」

「……これは……」



ーー


「あなたァァァ!」

「何だキキョウ 騒々しい」

「何故イルにあんなものをォォ!?」

「イルミは奥手そうだからな、女を喜ばせるのも訓練だ」

「…そうかしら、」

「不満そうだな」

「…不満じゃありませんの、…イルは奥手ではないと思うわ」

「ほう、何故そう思う」

「ワタクシはあの子の母親ですから」


そんな母 キキョウの言うとおり、使い方を覚えたイルミの攻めは強烈なものだった



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