短編
□ヤミツキ
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「イルミ♦」
「また呼び出し? オレヒソカみたいに暇じゃないんだけど」
呼び出したのはパドキアからほど遠いある地方
「面白いものを見つけたんだ♠」
そう言ってヒソカが指差すのは錆びれた古い書店
「本?ヒソカ本なんて読むっけ」
「違うよ♡ よく見てごらん♣」
すると見覚えのある女性が働いていた
「……クロロの女?」
「そう♠見つけちゃったんだ♡」
見つけた、というがきっと偶然ではなく以前から探していたんだろう
クロロと戦りたいヒソカは彼女を利用しようというのだ
「で?オレいらないでしょ?」
ゾルディックとしても幻影旅団を敵に回すのは極力避けたいところ
ここでクロロを怒らせたりなんてしたら後々面倒事になるな、と思い踵を返そ「忘れたのかい♠?」…返そうとしたが、ヒソカの一言で思い出した
ている
始末しないわけにはいかないのだ
二人は古書店に足を進めた
「あー面倒くさい。昨日女抱いたのに」
「…その子は♡?」
「死んだよ」
ーー
キィ …
古書店ならではのカビのような酸化臭がする
築何十年経ってるのか分からないが、壁紙は所々剥がれ、くすんでいる
目当ての彼女は奥で本を整理しているようだ
他に誰も従業員がいない
「すみません♠」
「はーい、…ぇ……あっ!?」
「覚えてたのかい♡?ボクたちのこと♣」
「……忘れられるわけ…、ないでしょ、っ…」
「今日クロロは?」
「長期の仕事でしばらくアジトを離れているよ♣」
「そ、ねぇキミ」
「……っ何ですか…」
「大人しくついて来れば殺しはしない。逃げるならこの場で殺すけど、どうする?」
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