短編

□メリークモスマス
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「あっ!フィン それ私のチキンー!」

「なにぃ?」



「オイ 酒ないよ 誰か盗り行くか」

「フェイタン行ってよ、オレ今スマホで忙しいんだから」

「ぼくいく」

「さすがコルトピね」



「このケーキ甘さ控えめで美味しいわね」

「パク、ケーキしか食べないのかい?せっかく盗ってきたオードブルも食べなよ」

「でもクリームが絶妙な甘さで美味しいのよ、マチもほら…あーん」



「ちょっとステーキまだ熱々じゃん!火傷するよ!」

「シャルいい加減ケイタイから目離すよ 余所見しながら鉄板 触たら熱いに決まてるね」

「でもね、このタッチパネルが凄くてさ!最先端なんだよ!まずね指でここを」



「フィンがかじったチキンなんてやだー」

「いいじゃねぇか、舐めまくったわけじゃねんだからよ」

「新しいのにするーーー!」

「おうおうすればいい、オレはじゃあこれ食うぞ」



「しかしよぉ!クリトリスってのは酒飲んでうまい飯食えていいなぁ!!」

「ウヴォー、それは女の陰核だ」

「ははは!団長のツッコミ早ぇな」



「ねぇ、私のコップどこ?」

「シズク、よく確認してみろ。今 自分で持ってるぞ」

「あ、本当だ」



「ねぇもうチキンなーーいーー!」

「残念だったな、もう全てオレの胃袋の中だ」

「フィンのバカヤローーー!」



……幻影旅団の楽しい楽しいクリスマスパーティーは朝方まで及んだ

宴もたけなわ、酒に潰れるもの、途中で帰宅したもの、眠りについたもの

そして中心から少し離れた瓦礫に腰掛け、団長クロロはまだ一人飲んでいた






「おや ♢ クロロじゃないかぁ ♧」

「…ヒソカか」


「なんだいこの、食べ物や人間の残骸は ♡」

「今日はクリスマスだ 団員たちで飲み食いしてな」


少しの間が空く


「…ねぇボク団員だよね?」


「……あぁ、4番だな」

「………呼ばれてないな ☆」


少し神妙な表情を浮かべたクロロは、立ち上がり余っていた酒をヒソカに手渡す



「少し飲むか」

「…クロロ サラ♢」


ーーそうして二人の夜は明けた





「…ん…寝ちゃったなぁ…わー頭痛い」

起き上がり周囲を見渡す

気がつけば女性陣はいないし、ウヴォーやノブナガは相変わらず大きないびきを立てて寝ている
シャルやフィン、フェイタンも端で寝ているようだ


「あれ…」


瓦礫を見ればクロロと そしていつからいたのか、ヒソカがいる

並んで座っており、そのまま寝てしまったのかクロロの頭はヒソカの肩にもたれかかっている

まるで電車内で時折見かける、恋人同士が寄り添い合う姿のようで

半分口が開いていて どことなく阿呆っぽく見えるクロロと、寝ているのにも関わらず薄気味悪く微笑んでいるヒソカ


滅多に見れない仲良しな姿を見れた


「…さてと、帰ろうかな」


外は降り積もった雪で真っ白に染まっている
素敵なホワイトクリスマスになった

来年も誰一人欠けることなく、楽しく過ごせたらいいなぁ なんて。



end

151227
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