カゲプロ
□お買い物に行こう
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蝉の鳴く声が耳の中を満たしている。
今は非常に暑い。
エアコンを22℃に設定した。
……いや、まだ暑い。
こんな暑さの中意識は朦朧とする。
俺はいつも整った環境で過ごしていたから、今がとても不便に感じる。
「………ちゃん」
「お兄ちゃん!」
「……あ?」
目を開けるとそこには、不機嫌そうな顔をした我が妹が居る。
「ねえ、聞いてる?さっきからずっとぼーっとしてさ」
「お前の話を聞いてるほど俺は暇じゃない」
「………いや、明らかに暇そうだったけど」
「うるせえ」
ああ、こんな余計な会話をしたらまた暑くなった。
「だーかーらー、皆で買い物に行くよ!って言ってんの」
「あぁそうか………ってはぁ!?こんなクソ暑いのに外でんの!?」
「暑いからこそ外に出るんだよ!」
「いや、意味わかんねえよ」
「もう行くって決定したみたいだから、早く用意して出てきてよね」
と告げて、バタンと部屋のドアを閉めた。
面倒くさい。外に出たくない。
何もしたくない。
途方に暮れていると、携帯のバイブが鳴った。
「ごっ主人~!どうしたんですか!?
そんなに落ち込んで!元気出しましょう!
そんな時はご主人のいつも見られてるアレを見ましょう!
アレを!」
…テンションがうぜえ。
「…アレってなんだよ」
「え?アレってアレしかないじゃないですか!!Aぶ…」
その言葉を言いかけたところで携帯の電源を切る。
と、同時に即座にパソコンのブラウザを確認する。
あいつまた気づいたのかよ…ッ
「ブラウザバックブラウザバック」
呪文のように唱え続けながら履歴を消していく。
「ご主人馬鹿ですか?ww今更消したって遅いですよ!」
突如パソコンから現れた。
涼しい顔をしつつにやけている。
「フォルダ作成しておきました!」
「お前また……!!消せよ!つか消す!」
もう現時点で俺はかなりの疲労感を感じている。
外出なんてしたら遂に俺は灰になるだろう。
「あ、それはそうとご主人」
涙目の俺の顔を覗き込む。
「なんだ?」
「買い物にいくんですよね?はやくしないと置いていかれちゃいますよ」
「いや、いっそのこと置いて行って欲しいんだが」
「だ、駄目ですよ!行きましょう!早く!!!早く!!!」
音量をMAXにしてエネは叫ぶ。
「だああ!!うるせえ!わかった、連れてくから黙ってくれ…」
「やったぁ!!ありがとうございます!」
満面の笑顔のエネを見ると少々悪い気がしなくもなかった。
外に出ると、やっぱり暑い。
死にそうだ。
「おい、離れろ苦しい暑い…」
モモはキドにべったりくっついている。
…そりゃ長袖でフードまでかぶったら暑いだろう。
俺も人のことを言えないのだが。
「おっ、いいところにアイスがあるね。買ってく?キド」
「ああ。買っといてくれ」
カノとキドはまともに買い物をしている。
俺とモモは暑さにやられている。
マリーやセトとヒビヤは今日は来ていないらしい。
キド曰く「お散歩」に行っているらしい。
セトのことだから、きっとどこか遠くに行っているのだろう…
「んじゃ帰るか…」
キドも暑さにやられたらしい。相当ぐったりしたようすだった。
アジトについて思った。
「俺行く意味なかっただろ!!!完璧に!何しに行ったの!?」
「意味ないことないよ!!皆で行くことに意味があるんだよ!」
「意味わかんねえよ!」
「まぁまぁお二人さん、喧嘩しないで!ね?」
カノがなだめに来た。
「アイスでも食え」
キドが俺とモモの口にアイスを突っ込む。
熱で溶けるチョコの味が、甘ったるく口の中に広がった。
「…アイスが食べられたからいいか」
携帯画面を見ると、エネもアイスを食べていた。
一体どこで入手したのやら。
そんなこと問うつもりはない。
彼女は幸せそうにアイスを頬張るから、その笑顔にいつも負けてしまう。
end
あとがき
ごめんなさい。意味わかんないですね。はい。これから頑張ります。