みさ

□ずっとあなたが好きです
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私は、たぶん、ひとよりも恋多きというか、気が多いというやつなのだと思う。
たくさん恋をしたし、色々な人と付き合ってみたりもした。けれど、恋も付き合いも長くは続かず、別れては、別れなくとも、私はすぐに別のものに目移りしてしまう。
そんな私が見つけてしまったのは、とある少女だった。私だって、女の子に惹かれるのははじめてであって、なんだかすぐに付き合ってみようとは考えなかった。むしろ、何故好きになってしまったのだろうかと悩んだ。
彼女が女の子であるのが問題なのではない。ただこれは、今までの恋とは違っていた。私は初めて別れるのが怖いと感じた。彼女はいいお友達にはなってくれたが、それ以上には進めない。彼女はもちろんのこと、私だって本当は同性愛者ではないのだ。
そうして、何も踏み込むことが出来ずに11年が過ぎた。高校生だった私達は、社会にも慣れて、同い年の友人も半数が既婚者になっていた。そして私は、初めの頃よりも彼女をうんと愛していた。彼女のことを知る度に、小さな幸福を得ていた。
こんな事は初めてで、今までの私の恋を全て上書きしてしまうような強烈な思いが私を支配していた。いつか好きだと口を滑らせてしまいそうで不安だった。同時に、私は一生彼女に思いを告げないことを心に誓っていた。

しかし、その時は訪れた。
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