彩雲国物語

□7story
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楸瑛「静蘭」


静蘭「これは、藍将軍に絳攸殿」


楸瑛「よければ一緒に帰らないかい?」


静蘭「ああ、今日はお夕飯の日でしたね」


楸瑛「今日こそ紅華姫の料理を
食べたいものだね」


絳攸「お前に作るわけないだろうが」


静蘭「お嬢様の料理を食べるなんて
百万年早いですよ藍将軍」ニッコリ


楸瑛 絳攸「「....」」




三人はそろって軒宿りまで来た

すると目当ての軒にへんなものが
ぶら下がっていた...



静蘭「...絳攸殿、なんで鶏が
吊るされているんです」


楸瑛「しかも生きてるね これ」


絳攸「こないだの鶏肉と葱の菜が
美味かったんだ。葱も用意してきた」


静蘭 楸瑛「「....」」



二人は軒をもう一度振り返った


この炎天下ずっと吊るされていた
鶏も不運だが、

生きた鶏を軒にぶらさげたまま
出仕した絳攸もすごい

きっと道行く人の目をひきまくって
いたに違いない。




静蘭「でもあれには生姜と山椒が
必要なんです。確か山椒を切らして
いたはずなんですが...」


楸瑛「おや、折良く私の包みに
山椒が入っているよ」


絳攸「ほう。用意してくれたお前の
家人に感謝だな」


楸瑛「素直に私に礼を言えばいいのに」


絳攸「用意したのは貴様の家人だろうが」


静蘭「ですが、お二人がいらしてから
家計が随分助かっていますよ」ニッコリ



台に座った静蘭は、巧みに軒を
操りながらどこか呑気にそう告げた


楸瑛と絳攸はそれを聞いて
お互い目を合わした









楸瑛(そりゃ、あんだけ脅されたらね)


絳攸(...手ぶらで行くと死にに行く
ようなものだろ)
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