Bullet of the promise
□第四八話
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その翌日、番組スタジオ・・・
キラキラ・・・
「どうだ?」
目を輝かせて私たちの前に立つ真純ちゃんは手を広げて自分を見せた。何度も言おう。可愛い。
?????
だが、ごめん。一体彼女は何を聞いているのか分かんない。
真純ちゃんは上着の中を見せアピールするが、やっぱり分からない。胸のサイズ変わったとか?
「少しは女の子っぽくなっただろ?」
あ、そういう事…
でも、ぱっと見た感じ真純ちゃんはいつもの格好。
「え〜っと…」
「どの辺がいつもと変わってる訳?」
「下着を花柄の可愛いヤツにしてみたんだ。ちょっと照れくさかったけどな」
「そ、そう…;」
「……(見えねえと意味ねえだろ・・・;)」
う〜ん……
そういう意味じゃなかったんだけどな…説明不足だったみたい。まさか下着のこととは思わなかった。反省…
照れくさく答える真純ちゃん苦笑しか出ない。
「それよりヨーコちゃんどこだよ?いねえじゃねえか!」
きょろきょろと探す小五郎さん。
こういう番組に興味ないと思ってたんだけど、やっぱり沖野ヨーコちゃん目当てだったのか…。
園子ちゃん、小五郎さんの扱い慣れてるね。
食いつく大好物の餌分かってるね。
だが、お目当てのヨーコちゃんはモニターに映ると聞き騒いでいると、一人のADが小五郎さんに話しかけて連れて行った。
照明が消され、いよいよ収録が始まる雰囲気が出てわくわくと気持ちが高まる。
こんなの初めてだ…凄い…
「では収録始めま〜す!本番5秒前!
・・・4・・・3・・・」
2・・・1・・・
「ようこそ我がクッキングアリーナへ!今宵も甘〜い一夜をご堪能ください!」
フルーツを発表する前に、二人のゲストを紹介された。
一人目は今回二度目の来場となる沖野ヨーコさん。
それと・・・
「泣く子も黙る名探偵・・・毛利小五郎大先生です!」
二人がモニターに映ると、スタジオに歓声が響いた。
「なんかスゴイことになっちゃったな」
「武木さんの代役なのに、全く緊張してないわねぇ;」
「ガンバレーお父さん!」
いや、蘭ちゃんよ。頑張るのは料理人です。
小五郎さんはゲスト審査員。
「毛利探偵はスイーツとかよく召し上がられるんですか?」
≪え…ええ!甘い物には目がなくて≫
「(よく言うわあのオヤジ…;)」
『え、そうだったの?』
「いえ・・・沖野ヨーコちゃん目当てで・・・」
なんだ…本気で信じてたのに。
甘いもの好きなら今度ケーキ持って行こうと思っていたのに…
「なあ?武木さんが行方不明って本当なのか?」
真純ちゃんが蘭たちに先程聞いたことを確かめる。
なんだか、フラグが立ってきたな…
「うん。全然連絡取れないってスタッフの人が言ってたよ。スタジオ入りどころか、このテレビ局にもまだ来てないって」
「ホラ!箱が開くよ!」
番組のメインへと進むことを園子ちゃんが知らせる。
「では、チャレンジャー榎戸呉亜パティシエールとチャンピオン栗村習平パティシエが、今宵、丸裸にする果実の発表です!」
プロデューサーの樽岡氏が東都銀行の貸金庫に預けてた鍵を司会者が受け取り、禁断の果実の箱についている南京錠の穴へ鍵を入れ開ける。
「あんな南京錠、手クセの悪い奴なら簡単にこじ開けられそうだけど」
「ああ見えて実は、電子チップが埋め込まれてる特注品らしいよ。
こじ開けようとして鍵穴に異物を突っ込んだらブザーがなるし、合鍵も簡単には作れないってさ」
「まあ、キッド様ならチョチョイのチョイだろうけどね♡」
園子ちゃん今のもう一回して。動画撮るからもう一回して!!
「ねえ、世良の姉ちゃん。あとで聞きたいことがあるんだけど・・・」
「なんだなんだ?今言いなよ!」
「じゃあ、聞くけど・・・」
何かコソコソとコナン君たちが話しているけど…
お二人さん、箱が開きますよ。
「それではご覧に入れましょう!本日のフルーツは・・・」
「世良の姉ちゃんって・・・もしかして僕と・・・」
ザワッ・・・
急にざわついた。
蘭と園子ちゃんも顔を青ざめる。
皆が見るステージには…
開けられた禁断の果実の箱の中に、溢れんばかりのお題のフルーツと共に・・・
行方不明となっていた武木正徳さんの姿が入っていた。
また、このボウヤは……(怒)
こういうイベントがまたしても中止になってしまった…くすん…