うた☆プリ

□Overture
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さくらの紹介も終え、全員で寮へ移動中。




「でも僕、先輩がついてくれるなんて知りませんでした」



「教えてくれる人がいるのはありがたいよな」



「マスターコースに来て本当よかった」






「たいしたことねぇな、オメェら…」







楽しげに会話している彼らに、突然蘭丸から横槍を刺した。







「人の力に頼ろうなんざ、この世界生き残れねぇよ」



「どーしたの、ランラン」


『分かりました!お腹空かれているのですね。もうすぐおやつの時間ですからね』


「違ぇよ!」





嶺二が困った顔で蘭丸を宥める一方でのほほんと場違いなことを言うさくらに蘭丸は一喝した。




「こっちは社長命令で仕方なくやってるだけだ。藍だってどうでもいいって面してるぜ」


「そうだね。研究対象としてなら興味はあるけど」


「研究…?」


「黒崎さん、俺たちは別に中途半端な気持ちで臨んではいません」


「何?」


「覚悟ならあるよ。それに、さっきの先輩たちの歌に負けてるとは思わないけど?」


「テメェ…ケンカ売ってんのか?上等だぜ!」


「まあまあ!誰もが認めるプロになるからには先輩に盾突く度胸がなくっちゃね〜」





険悪が空気を感じた嶺二はさっと彼らと蘭丸の間に入ってフォローをした。

蘭丸も舌打ちをしながらも大人しく下がった。




「コイツらにそんな根性があるとは思えねぇけどな。

俺は教える気はねぇ」





と、吐き捨てるように言って部屋へ戻った。





『本当にお腹が空いているのですね。後でマフィンとお茶を持って行きましょう』


「うん。多分本当に違うと思うけど、そうしてあげて」




蘭丸の背中を送りながらそう呟くさくらに嶺二はそっと返すのだった。





「やむ得ないな…俺たちの力で何とかするしかないな」


「ま、どうしても困ったときは、ここにも芸能界の先輩がいるしね、イッチー」






そう言ってレンはトキヤの肩に腕を回す。





「一ノ瀬トキヤか。HAYATAのときは随分活躍してたね」


「…私も自力でやるのは賛成です」


「えー?トキヤまで!!?」






驚く音也、すると翔もトキヤに賛同し始める。





「そうだな。力をつけたきゃ、自分でやらなきゃな」


「翔ちゃん…」


「あの、先輩たちは俺たちを見守ってくれるだけでいいです」


「ええ!?ほんとに?残念だなぁ…いろいろ教えてもらえると思ってたのに…寿先輩に」


「え?寿先輩?」





音也の発言に嶺二はキョトンとした顔になる。




「アハハッ、れいちゃんでいいよ。おとやん」


「おとやん…?」


「それに、トッキー」


「なっ、トッキー!?その呼び名は…」


『イッチーさんとトッキーさん…どちらも素敵なお名前ですね』


「どっちも本名じゃない上に同一人物の呼び名だよ」


『まぁ、そうでしたね…ではなんてお呼びしましょう…』



困惑する二人に対し、さくらは藍と(実質一人で)彼らの呼び名を考えていた。
結局すべて藍に却下され、名前で呼ぶことにした。




「まぁ、望み通り手は出さないけど、なんでも聞いてよね!これから同室なんだしさ」


「同室?」


「シャイニーさんから聞いてない?



マスターコースは、担当先輩と同居するんだよ」






「「「「「「同居!?」」」」」」







何も知らなかったらしく、皆声を上げて驚いていた。
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