HUNTER×HUNTER 夢小説
□ステーキ?×ト×シケン
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数時間後。
「ぎゃあああ〜〜ッ」
試験開始まで体を休ませようと人気のないところで休んでいたところだった。
男の叫び声が聞こえ、その方向を見た。
そこには、ピエロの格好をした男が58番の受験者の腕を切り落とした所が目に入った。
『(あの人が…)』
44番のヒソカ。
他の受験生が警戒していた要注意人物としているのを小耳にはさんだ。
『(あまり関わらないでおこう)』
シルヴィアの中で一つ、決定した。
その数m離れたところに、またしてもトンパが新たにターゲットを変えてジュースを渡しているのが見えた。
貰ったジュースを口に含む少年。
「うえぇぇぇ…」
すぐに吐き出した。
「トンパさん、このジュース古くなってるよ。味が変!」
この一言で被害者が3名出なくて済んだ。
トンパの様子からして、恐らくほとんど味も匂いもしないものだろう。
それをあの少年はちょっと口に入れただけで見破った。
『(一体何者――…)』
「オレ、山とかでいろんな草や芽を試し食いしているから、大体味で変な物が分かるんだ!」
『(ただの野生児だった)』
だが、そんな少年とその両側にいる二人にシルヴィアは何故か興味を持った。
どこかほかの受験者と違う、『何か』を感じてしまったのだ。
ジリリリリ――…ッ
「ただ今をもって受付時間を終了いたします。
ではこれよりハンター試験を開始いたします」
背の高い審査委員会の男がそう言った途端、受験生たちの空気が張り詰めた。
「こちらへどうぞ。
さて、一応確認しますが、ハンター試験は大変厳しいものもあり、運が悪かったり実力が乏しかったりするとケガしたり死んだりします。
先ほどのように受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々ございます。
それでも構わない――という方のみついて来てください」
そうは言うが、誰一人引き返す者はいなかった。
皆、先頭に続いて歩き出す。
「承知しました。
第一次試験、405名全員参加ですね」
ザザザッ
『!!』
前方の受験生たちの異変に気付くシルヴィア。
「おいおい何だ?やけにみんな急いでねーか?」
「やはり進むペースが段々速くなっている!」
「前の方が走り出したんだよ!」
ダダダダダッ
「申し遅れましたが私、第一次試験担当のサトツと申します。
これより皆さまを二次試験会場へご案内いたします」
つまり…
『(第一次試験の課題は、二次試験会場までサトツさんについて行くこと…しかし、これはほとんどの方が堪えますね)』
ゴールの見えない持久走は、持久力だけでなく精神力まで試される。
単純に「どこまでついて来られるか…――」これが試験課題。
3時間後…
随分の距離を走ったが、一向にゴールが見えず先頭も止まる気配もない。
しかし、シルヴィアは一つある仮定が浮かんだ。
『(ここは地下100階。二次試験会場も同じ階と近い距離にあるほど恐らくこのハンター試験は甘くありません。
――ということは、二次試験会場は地上に近い階、いや、もしかすると地上のどこかにある可能性だって…)』
エレベーターで下がった分、足で地上に上がる。
そうなると、この先の分からない一本道も納得がいく上に、一本道の先にあるものも想像はできる。
『(ペース配分も気を付けた方がよさそうですね)』
そう考えるシルヴィアに…
「絶対ハンターになったるんじゃーーーー!
くそったらァ〜〜!!」
と、叫び声と主に何かが後ろから追い越して行った。
『………。』
考えに更けていたせいか、一瞬何が起きたか分からなかったシルヴィアだったが、次々に追い抜くその男にふっと目を細めるのだった。
60km地点通過
脱落者、いまだ0名
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