HQ×黒子夢小説

□第9試合 おにぎりちゃんとGW合宿 3日目
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「2泊3日の合宿、お疲れ様。帰ったらゆっくり休むように」






合宿も終盤となり、部員全員が監督と主将の指示で整列をする。
木兎先輩も他の部員たちも充実した合宿を過ごせたからか、満足そうな顔だ。





「ただ合宿前にも言ったが、今月に中間テストがある。
合宿後で疲れもあるだろうが、GW明けからはしっかり勉強しておけよ!特に木兎」






ピシッ…








闇路先生の言葉で一気に凍り付いた。主に中心は木兎先輩…。

先輩たちの視線からサッと顔を背ける木兎先輩。
どうやら木兎先輩は勉強が苦手という部類に入るどころか、赤点の常習犯らしい。
どこかのエースを思い出す。エースが赤点で試合に出られないなんて笑えない冗談だ。


テスト嫌だー!、と叫ぶ木兎先輩を無視して、先輩たちはテスト前で部活がない放課後はしばらく木兎先輩の赤点回避勉強会を行うことが決定した。どこかで見た光景だ。




解散を言い渡され、部員たちがそれぞれ歩き出すのを見届る。終わったのなら帰りますか、と歩き出した時、主将さんから呼び止められた。





「ああ、瑠璃咲さん。ちょっと待って」


『?はい』


「この3日間、手伝ってくれてありがとう。白福たちから聞いている。本当に助かったよ」


『いえ…お気になさらず』






当たり障りのない返事をしたら、主将さんは苦笑した。何か返事を間違えたのかな…




「……やっぱり、正式マネージャーは難しいかな?木兎の希望もあってもそうだが、今後のためにマネージャーは増やしておきたいんだ。
瑠璃咲さん、仕事も早いし機転も利く。部員たちの好評もあるから、入ってくれると嬉しいのだけど…」


『…幸栄です。
検討はしてみますが、まだ入部のお返事は待っていただけるとありがたいです』


「そうか…まあ、ゆっくり考えてくれ」






誘ってくれた主将さんの言葉は素直に嬉しく思う。でも、やはり正式なマネージャーとなると…
中学の頃の記憶がよみがえる。やはり信用するか否かはまだ判断できない。

お世話になった先輩マネージャーたちと監督たちにも軽く挨拶して、部員たちより早めに学校を出た。






こうして、GW合宿は無事は終了した。
部屋に入った途端、体が重くなった。疲労がたまったのだろう…
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