未来へ
□第十五話
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『あむさん!』
「あい!!キャラなりして大丈夫なの?」
イクトと全く同じ質問に思わず苦笑したくなるが、今は簡潔に答えた。
『制御時間-タイムリミット-があるので、長くは持たないかもしれません。それでも一緒に行ってもいいですか?』
「もちろん!」
長い廊下を駆け巡り、スゥのいる部屋を目指す。
〈あそこ!〉
〈あの部屋からスゥの気配を感じます!〉
しゅごキャラたちがとある部屋を指さし、あむが勢いよくドアを開けた。
「待ったぁ――!!」
「やあヒマ森さん。ショーにまにあったね」
〈あむちゃ――ん〉
「ゆっくり見ていってくれ。新しいエンブリオが誕生する瞬間を!」
スゥのたまごは大きな機会の中にセットされ、二階堂が今にもスイッチを押しそうな状態だ。
「スゥ…!」
〈こんどはランの出番!〉
ミキからランへ瞬時にキャラなりの交代がされた。
「ハートロッド!」
新たに現れた武器。
・・・・・・。
「――ってイキナリなんなのこの魔女っ子アイテム!でね――魔法でねーっ!」
〈あむちゃん、ちがっ〉
『………;』
かっこよく武器を出したのに、決まらない…それがあむである。
「なんだコケおどしか。×たまのエネルギーを充填…!」
と、二階堂がスイッチを押した。
『それはどうでしょう?』
あいがスゥのたまごがある装置と大量の×たまがある装置をつなぐ部分をレイピアで切り離した。
「なっ…!」
『ちょっと待ってあげてください。すぐに使い方が分かるはずですから』
「あ、そっか!投げるんだ!」
〈せーかい!〉
「スパイラルハート!」
漸く使い方を理解したあむはロットを投げた。
「わ――っ大暴投!」
〈も――っ〉
〈なにをあそんでいるのです!?〉
が、ロットは思わぬ方向へ…
「はは…ぜんぜんだめじゃないか」
「なんちゃって」
ぺろっといたずらっ子の顔をした途端、ロットは戻って来てスゥのたまごがある装置を破壊した。
「しまった!装置が…」
押さえられていたたまごからスゥが姿を現す。
「スゥ!」
〈ナイスあむちゃん!〉
すっかり手慣れたのかロットを手元に納めたあむはスゥの無事を喜ぶ。
しかし、それで終わりじゃない。
装置を破壊したとき、大量の×たまが入った装置も破壊したことで、×たまのエネルギーがもれだしたのだ。