ツイステ 夢小説

□序章編 二
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「この者たちのあるべき場所は、この世界のどこにも無い………無である」





一瞬、鏡の言葉が理解できなかったお二人。
クロウリーさんも驚きの声を上げる。






「なんですって?そんなこと有り得ない!
ああ、もう今日は有り得ないのオンパレードです」






講義をするクロウリーさんに鏡は何も言わない。





「私が学園長になってから、こんなことは初めてでどうしていいか……

そもそも貴方たちどこの国から来たんです?」





クロウリーさんに問われ、お二人は顔を見合わせ、「実は…」とユウさんが話す。



故郷の名前、街並み、歴史…
簡潔に自分たちの故郷について聞いたクロウリーさんは考える仕草をして一言、





「……聞いたことのない地名ですね」




と、言った。



クロウリーさんは世界中からやってきた生徒たちの出身地はすべて把握しているそうですが、彼女たちの地名は聞いたことがないそう。
記録があるかもしれないと、一同は一度図書館へ行くことにした。









―――――
―――
――






「やはり、ない」




図書室の宙に浮いた本たちを見ると、魔法学校だなと実感しますね。
クロウリーさんは何冊もの本でアイリンさんたちの故郷について調べてくれましたが、全く見つからないようです。

世界地図どころか、有史以来どこにもアイリンさんたちの出身地の名前が見当たらないそう…




あろうことか、本当にそこから来たのか嘘をついていると疑われる始末…





「こうなってくると貴方たちが何らかのトラブルで別の惑星……あるいは異世界から招集された可能性が出てきましたね」



「異世界!?」



『私たちは人間ですよ?』



「ええ、人間なのはわかっています。

貴方たち、ここへ来るときに持っていたものなどは?
身分証明になるような、魔導車免許証とか靴の片方とか……見るからに手ぶらですけど」



「そういえば財布もスマホもない」


『靴も両方履いていますね…』



「困りましたね。魔法を使えない者をこの学園に置いておくわけにはいかない。

しかし、保護者に連絡もつかない無一文の若者たちを放り出すのは教育者として非常に胸が痛みます。私、優しいので」






「う〜ん…」と悩むクロウリーさんの様子をお互い顔を見合わせるお二人。
何も知らない国、それも世界が違うというのに何も考えなしで出ていくのは無謀すぎるますものね。



不安しかない胸を抱きこれからのことを考えていると、クロウリーさんが声を上げた。






「そうだ!学園内に今は使われていない建物があります。
昔、寮として使われていた建物なので、総司すれば寝泊まりぐらいはできるはずです。そこであれば、しばらく宿として貸し出して差し上げましょう!」




「『!!』」




「その間に貴方たちが元いた場所に帰れる方法を探るのです」



『よろしいのですか?』



「ええ、勿論。二言はありませんとも。
あ〜なんて優しいんでしょう、私!教育者の鑑ですね」





「…これがなければ素直に受け取れてたんだけど…」


『でも、とてもありがたい話よ。これで寝泊まりは心配しなくていいし、帰れる方法も探せる』





聞こえないようにこっそりと会話を交わす。でも、これほど助かることはありません。





「『ありがとうございます!』」



「では善は急げです。寮へ向かいましょう。少し古いですが、趣のある建物ですよ」






そう言って、アイリンさんたちは寮へ向かった。
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