ツイステ 夢小説

□序章編 二
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数分後。






「ヒ、ヒィ〜〜〜!消されちまう!逃げろ〜〜っ!」




「あ、あれ?勝っ……た?」



「すごかったよ!」


『ありがとう、グリム』



「ハヒ、ヒィ……こ、怖かっ……いや、ぜんぜん怖くなかったんだゾ!

グリム様にかかればチョロイんだゾ!どうだあ、お化けめ!参ったか!」



「怖かったくせに。すぐ調子に乗るんだから…」


『でも、おかげで助かったわ』








怖かったのも事実ですし、魔法が使えないアイリンさんたちからするとグリムの存在はありがたいことです。







「こんばんはー。優しい私が夕食をお持ちしましたよ

………って、それは先ほど入学式で暴れたモンスター!追い出したはずなのに、何故ここに!?」






夕食を持って来てくれたクロウリーさんはグリムの姿を見て、とても良い反応を見せてくれた。






「フン!オレ様がお化け退治してやったんだゾ!感謝しろっ!」


「ん?どういうことです?」







アイリンさんたちは先ほど起こったことをクロウリーさんに話した。


この寮には悪戯好きのゴーストが住み着き、生徒たちが寄りつかなくなって無人寮になっていたそうですが…

すっかり忘れていたみたいです。


本当に大丈夫なのでしょうかね、この学園長先生。







「しかし、ふぅむ……貴方たち3人で協力してゴーストたちを追い出してしまうとは」



「協力とは聞き捨てならねーんだゾ。
ソイツらはほとんど見てただけだったし?オレ様はツナ缶が欲しくてやっただけだし?


……って、あっ!オレ様、まだツナ缶もらってねーゾ!」



「やっぱり覚えてたか…忘れてくれてていいものを…」



『食べ物の恨みは怖いから…』







そんな会話をしている中、クロウリーさんはまた何かを考える仕草をする。






「お三方。ゴースト退治、もう一度見せてもらえます?」



『え…ですが、ゴーストさんは皆お帰りに…』



「それより、ツーナー缶ー!」



「ゴースト役は私がします。
私に勝てたらツナ缶を差し上げましょう。私、優しいので。

では、変身薬をごっくん!!」






こちらの返事も聞かず、あっという間にゴースト姿になったクロウリーさん。
帽子とマスクはそのままですのね






「えぇ〜。嫌なんだゾ。
めんどくせーし、またコイツらと一緒になんて…」



『でも、もしかしたら入学できるチャンスかもしれないよ?』



「それにほら、ツナ缶もゲットチャンスでもあるんですぜ、旦那」





と、言うアイリンさんとユウさん。
すっかり、グリムの扱いに慣れてきたみたいです。

これで最後と言ってグリムも協力してくれることになった。















数分後(再び)





ゴースト化したクロウリーさんを退治した一同(というよりグリム)にクロウリーさんは関心の声を出した。





「なんと…まさかモンスターを従わせることができる人がいるなんて。

ふぅむ……実は入学式騒動の時から私の教育者のカンが言っているんですよねぇ。



ユウさんには調教師や猛獣使い的素質、アイリンさんには周りの状況を冷静に判断するものがあるのではないか、と」



「調教師…猛獣使い…」


「しかし……ブツブツ……」





何かブツブツと言っていますが、おそらく彼女たちの立場とグリムの事でしょう。

「あの…」とユウさんが一言。





「グリムも一緒にこの寮に置いてもらうことはできませんか?」



「なんですって?モンスターを?」



「オマエ…」



『お願いします』


「またゴーストが出ると怖いし、この学園に通いたがっていますから」



「……ふぅ……仕方ありませんね」






妥協してくれたクロウリーさん…じゃなかった学園長先生からグリムの入寮を許可、さらに学内整備などの雑用をすることを条件に、無料で寮の提供、衣食住の保障、元の世界に帰るための情報集めや図書館の利用まで許可をもらった。


まあ、働かざる者食うべからずと言います。
ただで置いてもらうわけにはいかないから、グリム以外のアイリンさんたちは特に異言はありません。



とりあえず、こうして彼らは三人一組で『雑用係』を任命されたのでした。
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