ツイステ 夢小説
□第1章 真紅の暴君編 四
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「!?これは……」
トレイさんがマジカルペンを一振りした途端、あら不思議。
薔薇や首輪がトランプへ変りました。
「……あ、れ?生きてる?なんだこれ、トランプ?」
「薔薇の木が全部トランプに変わった!これは…」
「リドル、もうやめろ!」
「トレイの『ドィードゥル・スート』!?えっ……どういうこと?」
「魔法封じの首輪が外れたんだゾ!」
誰もが驚く中、トレイさんは冷静に説明する。
「言っただろ。俺の『ドィードゥル・スート』は少しの間だけならどんな要素も上書きすることができる。
だから…“リドルの魔法”を“俺の魔法”で上書きした」
「うっそ……。そんなのあり!?チートじゃん!」
リドルさんが何度もユニーク魔法を使おうとするが、トレイさんの魔法のおかげですべてトランプに変わるだけ。
「リドル、もうやめろ。これ以上はお前が孤立していくだけだ!みんなの顔を見てみろ!」
トレイさんの言葉にあたりを見渡すと、ひそひそと批難を言う声と冷たい視線。
「は……?トレイに魔法を上書きされた…?ボクの魔法よりキミの魔法のほうが優れてるってこと?」
「そんなことありわけないだろ。リドル、いったん落ち着いて話を聞け」
「キミもボクが間違ってるって言いたいの?ずっと厳しいルールを守って頑張ってきたのに!
いっぱいいっぱい我慢したのに!
ボクは…ボクは…信じないぞ!!」
「いけませんローズハートくん!それ以上魔法を使えば、魔法石が『ブロット』に染まりきってしまう!」
(ブロット?)
聞いたことのない言葉に首を傾げるが、どんどん様子がおかしくなっていくリドルさん。
「ボクは…ボクこそが!!絶対、絶対、正しいんだーーーー!!!」
「リドルーー!!」
何かが落ちる音は大きくなった途端、リドルさんの姿が変わった。
全身から黒いオーラがあふれ出し、後ろには不気味なモノが憑いている。
「ククク……ハハハハハ!!
ボクに逆らう愚か者ども。そんな奴らは僕の世界にいらない。
ボクの世界ではボクこそが法律。ボクこそが世界のルールだ!
返事は「ハイ、リドル様」以外許さない!
ボクに逆らう奴らはみんな首をはねてやる!」
不気味な声で高笑いをするリドルさん。
その様子に学園長先生が嘆きの声を出す。
「ああ、なんてことだ!私がついていながら生徒をオーバーブロットさせてしまうなんて!」
「オーバーブロットってなんなんだゾ!?アイツ、めちゃくちゃ邪悪な感じに変わっちまった!」
「オーバーブロットは魔法士が一番避けねばならない状態です。彼は今、負のエネルギーに囚われて感情と魔力のコントロールを失っている」
「なんかよくわかんねぇんだゾ!?」
「僕もだ!」
「あーもー!平たく言うと、闇堕ちバーサーカー状態ってこと!」
「え、どういうこと?」
『魔法の暴走ってことですね。となると、このままではローズハート様自身も危険なのでは…』
「ああ。魔力を放出し続ければ、リドルの命も危ない」
「命ぃぃぃ!!??」
「とにかく生徒の命が最優先事項です。他の寮生は私が避難させましょう。
ローズハートくんの魔力が尽きる前に商機に戻さねば。命を失うことも最悪ですが、さらに最悪なのは……」
『?』
命を失うことより最悪なこと。
学園長先生の途切れた続きが気になりますが、今はそんなことではありません