薄桜鬼 夢小説
□第三話 沖
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「総司〜おはよ〜」
「………。」
「ちょ、ちょっと!」
「…何?」
「なんで無視するのよ!」
「別に、君には関係ないでしょ。それより、べたべたしないで」
「ちょ、ちょっと総司!何なのよ!」
名前を忘れたその子を置いて、教室に入った。
「どうしたんだ?総司。最近、ちょっと変だな」
「ん〜そうかな?」
「そうだよ!なんか女の子といないじゃん」
「別に。僕もそんな気分じゃないこともあるよ」
「いや、そうかもしれないけど…何ていうか…」
「うるさいな…別になんでもないって」
うるさい平助も放って、飲み物を買いに行った。
最近、おかしいと思うのは自分が一番分かっている。
女の子といても楽しくないし、今まで何とも思っていなかったのに、ベタベタと触られるのが嫌になっていた。
ジュースを飲みながら空を眺めると、ふわふわと浮かぶ雲が流れる。
美桜ちゃん、今どうしてるのかな?
また、たくさんパンを買ってるのかな…?
「………まただ。」
また美桜ちゃんのことを考えていた。
どうしてだろう。
あの子のリボンを届けに桜華へ行った日から、何故かあの子の事を考えるようになった。