HQ×黒子夢小説
□第1試合 おにぎりちゃんと出会い
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ようやく着慣れた制服を纏い
中学入学に比べて少し伸びた髪に櫛を通す
「おはよ〜、ナズナ」
「……おはよう」
『……おはよう』
朝食のいい匂いがするリビングに下り、おっとりな母とちょっと無口な父に挨拶を交わす
今日の朝は食パン。
イチゴジャムを塗った食パンを一口かじり、咀嚼する間にようやく完全に目が覚める。
ピーンポーンッ…
「ナズナちゃーん!おーはーよー!!」
そこに小学生のごとく誘う幼馴染の声。
「あら、千鶴ちゃん。おはよう〜」
「おはよう、ナズナママ!!」
第二の自宅のように上がった幼馴染である千鶴はショートカットの女性。
「Σ!!」
だけど…
「ナズナーーー!!今日も可愛い!!
食パンもきゅもきゅさせて可愛い!!小動物みたい!」
もきゅもきゅ…とは?
時々何かよく分からないことを言う。
朝食を食べ終え鞄を持つ。
『行ってきます――…』
「ん」
メガネを指さす父
『......』
テーブルにぽつんと取り残された眼鏡を手に取る娘
「では行ってきまーす!!」
『行ってきます…』
従兄に買ってもらったメガネをかけて家を出た。