HQ×黒子夢小説

□第11試合 おにぎりちゃんと秘密
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赤葦SIDE



テストも無事終了し、部活も再び始まった。
木兎さんも水を得た魚のように生き生きとして、テスト終了した翌朝、早速スパイク練に付き合わされた。


で、昼休み。
先輩たちに誘われてバレー部で昼飯を終えた後、俺はなんとなく瑠璃咲さんと話したあの桜の木へ向かった。



今日もいい天気。こういう日は、昼寝とかしたくなる。
そう…







『Zzz…』






こんな風に。
何気なく考えていたいい例を見つけた。瑠璃咲さんだ。





「えッ―…!!」





声が出そうになり、慌てて口を抑えた。
ちらりと見ていると気づかれていないようで未だ彼女は気持ちよさそうに眠っている。

ホッと胸をなでおろすと同時に口に当てていた手を下ろした。



眠りの妨げにならないようにゆっくり近づき、彼女の隣で座る。

天気も良く、風も気持ちいいから昼寝には本当に最適な日だ。
見てるこっちも眠くなりそう。
持ってきた本を開き、昼休みを過ごす。


雲のようにゆっくりと時間が流れる。





『ん…』




「あ…」





ふと、寝返るを打とうとする瑠璃咲さん。
掛けたままの眼鏡が少し邪魔そうだ。



寝るときぐらい眼鏡をはずせばいいのに…
近くにしおりが挟まれた本があるため、単に眼鏡をはずし忘れたのだろうか。



読みかけの本を隣に伏せ、少し体を彼女へ向ける。
眼鏡両側を持って、そっと外してみた。





「………。」




初めて見る彼女の顔を見つめていると、伏せているまつげがフルフルと震える。
ゆっくりと開く瞼から見えたのは…









絵に描いた夜空のような瑠璃色だった。










prrrr…





!!


突然なり出す電子音。
落ち着いて止める瑠璃咲さんの手にはスマホがあった。
どうやら、寝過ごさないようにアラームをかけていたそう。


再びこっちを振り向いた途端、瑠璃咲さんは特に驚くことなく、目元を触れる。

あ、忘れてた…





「これ…邪魔そうだったから」


『………そう。』




俺の手にあった独特な眼鏡を見たと思ったら、その一言を言って自分の両耳にかけて立ち上がった。その後は、結局何も言わずに立ち去ってしまった。
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