うた☆プリ
□第一曲
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寮母であるさくらの朝は早い。
誰よりも早く起き、自分の身支度が出来たら庭の花の世話をする。
満開に咲いた花からいくつか頂戴し、綺麗に整えた真っ白なテーブルクロスの中央に飾る。
ST☆RISHとQUARTET★NIGHTのスケジュールをホワイトボートに記入すると、昨夜より下ごしらえしていた食材で朝食を作る。
とまあ、某執事アニメのキャラクターのような生活を送っているが、彼女は決して執事でもメイドでもなく、マネージャー兼寮母である。
『(さて、今日は誰が早起きなのでしょうか)』
QUARTET★NIGHTの中では蘭丸以外のメンバーがいい勝負だが、朝練をするST☆RISHたちによってますます分からなくなった。
何気に誰が早起きなのか勝負(勝手に命名)を楽しんでいるさくらなのだった。
『(そういえば、今日マスターコースに新しい子が来るって社長さんが言っていたわね)』
一体どんな子だろう…?
新たな寮生に期待しながら、さくらの一日は始まるのだった。
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「では、今回の内容をもとに、企画を立てます。」
『はい。よろしくお願いいたします』
朝はQUARTET★NIGHTのマネージャーとして、番組の企画の打ち合わせ。
「ああ、天音さん。この書類、お願いしてもいいですか?」
『はい。こちらの書類も完成しましたので、チェックのほう、お願いします』
事務所で事務整理の手伝い。
『えっと…今度の日曜日に藍さんの写真撮影、その日午後はQUARTET★NIGHTのCD収録―…』
メンバーたちのスケジュール整理…
などなど、さくらはハードな一日を送っていた。
だが、本人は…
『そうだわ!今日は新しい方が来ますから晩御飯は皆さんの好きなものにしましょう!
カミュさんも海外から帰ってきますから、ケーキも忘れずに…』
この生活を楽しんでいた。
『大変!お醤油がなかったわ!』
と言って来た道を戻るのだった。