未来へ

□第二話
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1時間後…。
結果、あむを見つけることが出来なかったあいは、とぼとぼと帰路を歩いていた。





『………。』



〈だいじょうぶだよ、あいちゃん。もういつも帰ってる時間だし。家にいるかも〉



『うん…そうだね』







長い髪に隠れるコールにささやきながら帰るあい。
とある角を曲がった時、曲がり先で何かにぶつかった。





「!!」


『!!…あ』





足元に自分のと別の足が見えたことでぶつかった“何か”が人であることが分かった。






『…すみませ――…!!』






謝罪しようと顔を上げ、相手の顔を見た瞬間…――あいは目を見開く。

それは自分が知る人物とよく似た顔。



あいは目の前の彼に何かを言おうと口を開いた。
しかし、それは言葉として出るなることなく、再び彼女の胸の中へ戻ってしまった。







『……すみません、でした。』




もう一度謝罪と共に頭を下げ、目の前の人物の横を通り過ぎた。





「………。」


〈どうしたんだニャ?イクト?〉


「別に…。」




















―――――
―――
――





『ただいま帰りました…』



「あら、おかえりなさい。もうすぐご飯できるから、待ってて」


『はい。』










部屋に戻ったあいは閉じた扉に背を預けた。






『………。』



〈どうしたの?あいちゃん〉



『びっくりした…急に出会ったんだもん』



〈だったら、そういう顔しようよ…全然びっくりしたって顔してなかったじゃん〉



〈びっくりしたって何を?〉



『あ、起きたんだ…』







大して疲れることしていないはずなのに、何故かコール以外、バスケットの中でぐっすりだったしゅごキャラたち。

家に着いたことを察知したのか、次々とバスケットから出てきた。





〈実は…〉




と、先ほどあったことを他のしゅごキャラたちに話すコール。
それを聞いたリズたちは「えーー!」と声をそろえた。





〈私も見たかったー!〉


〈なぜすぐわたくしに伝えないのです!?〉


〈だって、みんな寝てたから…〉


〈どんな人だったの〜?〉


〈どんな…って…どんな?〉


『………。』




どんな?と聞かれても応えれない。
だって、思わぬ出会いにそれどころではなかったからだ。

ただ…と、自分が知っている“彼”を思い出す。




『……雰囲気が…違った』


〈ふんいき?〉


『何というか…トゲトゲしていたっていうか…』


〈〈〈?〉〉〉




上手く言えないあいの言葉に想像がつかないしゅごキャラたち。

また会えないだろうか。とあいは秘かに期待を膨らませていた。










to be continued…
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