未来へ
□第三話
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青い空に白い雲。
今日もいい天気である。
「は――…」
が、今にも雨が降りそうにな雰囲気を纏うあむとそんなあむのことを後ろから(顔に出てないが)心配そうに見つめるあいの姿があった。
〜第三話 誘い〜
階段を上り、3年生と4年生の教室の分かれ道。
「……じゃあ、あい…また…」
『はい…。また…』
とぼとぼと歩くあむの後ろ姿。
〈あむさん…だいじょうぶかな…?〉
〈今にも消えそうだったね〉
〈これもまた青春…〉
〈文句をいう人なんて口を縫ってしまえばいいのですわ〉
〈Zzz…〉
『………。』
このしゅごキャラたちは本当に心配しているのだろうか。
教室に入り席につくあい。
顔に出てなくてもあむのことを心配している彼女を見ていたしゅごキャラたちはバスケットからこっそり抜け出した。
一方、4年の教室に着いたあむは静かに席に着いた。
教室内がしん…とする中気まずそうにするあむ。
そんな中、あむを呼ぶ声がしたため顔を上げると…
「きのうすごかったねっ!」
「あんなふうに告白できるなんて勇気あるーっ」
「日奈森さんも王子さまのこと好きだったんだね
親近感わいちゃったよーーー」
「え…?」
どっと次々に出てくる思いがけない言葉。
そんなクラスメイトたちにきょんとする。
「ねぇねぇこれからあむちゃんって呼んでいい?」
「う…うん…」
「ホントはずっとあむちゃんとなかよくなりたかったんだ」
「あむちゃん、もっとクールなキャラかと思ってたけど…
あんなあむちゃんもぜんぜんアリだね!」
「(なんだ…なぁんだ…)」
自分が思っていたのと違う反応にあむはほっとした顔でクラスメイトと笑いあった。
そんなあむの様子をカバンのランだけでなく、こっそり抜け出したあいのしゅごキャラたちも安堵した。
〈まったく…大丈夫ではありませんか〉
〈そんなこと言って。ローザだって心配で来たのでしょ?〉
〈そ、そんなことありませんわ〉
〈それより散歩しよう〜〉
〈お茶会するのもいいですね〉
〈みんなダメだよ〜…戻ろう。怒られるよ…〉
唯一の真面目キャラ、コールが一人ひやひやしていた。