未来へ

□第五話
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「ガーディアン“ジョーカー”に日奈森あむ」






「――っていったいなんなのそれ!?」










〜第五話 任命、ガーディアン ジョーカー〜












始業式を終えた放課後。
あいとしゅごキャラたちを連れたあむは抗議しにロイヤルガーデンへ来ていた。


そこにはのんきにお茶会をするガーディアンのメンバーたち。






「なに…――って」



「今日のおやつならブラウニーだけど」



「なでしこのブラウニーふっきーーー」



〈ブラウニーだって!〉



〈美味しそ〜〉



〈ボクたちもいただきましょう〉


〈〈〈さんせ〜…――〉〉〉


『しなくていい。バスケット(なか)のお茶菓子食べてて』







飛び出す勢いのしゅごキャラたちをバスケットへ押し込めるあい。
その間、あむは先ほどのことに疑問をぶつけていた





「かってに人をガーディアンに入れといて、しかもなんなの“ジョーカー”って!!」



「なんだオマエ、ジョーカーも知らないのか?“切り札”ってコトだ」



『“切り札”…ですか?』



「そ。オマエは三つも“しゅごたま”を持ってる。すげえ。だからジョーカー。

以上」



「分かるか!」





大雑把な空海の説明になでしこが補足を入れる。

キャラ持ちが少ないこと。“ジョーカー”が特別であることなど…




「トクベツって…?」


「ガーディアンてハデそーに見えてフダンの仕事はけっこ地味なんだよ―書類整理とかハンコ押しとか」



「その点ジョーカーはジョーカーの特別任務だけこなしてりゃいいんだ。
なっ、いたってカンタンな話だろ」



「は?」



「というわけでぇ〜〜〜お待たせしましたぁ――」



「え?」



「あむちゃん専用ガーディアンケープでーす♡」


「ハイ、うらはべんりなしゅごたまホルダーになってまーす」



「いやあぁぁーー!!」







頑固と拒否していたケープまで用意され…これはもう逃げられないだろう。





「っていうか、あいはどうなの!?あたしよりしゅごキャラ多いし…妹ながらしっかりしてるし…あたしよりあいの方がいいんじゃ…」


『え…あむさん、私は…』



「そのことについて、理事長に相談してみたの。あいちゃんの役職はどうするか…そしたら…」



「あいさんは今回のガーディアン入りは見逃そうって…」



「え?なんで?」



「さあ…わたしたちも理由については聞かされなかったわ」



『………。』






その話を聞いて、あいは心当たりがあった。
もしかして、理事長は…と。





「でも、あいさんにはガーディアンのサポートをしてほしいんだ」



『サポート…ですか?』



「うん。基本はお姉さんの手伝いを…その他では軽く手伝ってくれたらって思ってる。どう?」







そう問われ、あいは少し考える仕草をして…







『…あむさんがガーディアンに入るのであれば、構いません』



「え、ちょっとあい!?」



「いい返事が聞けて良かったよ」



「やったー!これであいちんもなかまいりー!」



「ちょっと待った!あたし、まだ入るなんて一言も…それにロイヤルケープ着るなんて…絶対いや!」







とにかくケープが嫌だと断言するあむに唯世のささやきがかかる。





「だいじょうぶだよ、日奈森さん。ケープは公式行事のときだけ着ればいいから」



「それなら…」



『あむさん…』


〈まーた流されてる〉






本当に流されやすい人だ。
簡単にガーディアン入りをOKしたようなものだ。








「だから日奈森さん…ことしからいっしょにがんばろうねっ」






唯世必殺、キラキラ攻撃があむに直撃。
当然、効果は抜群だった。





「お…王子…」






本音がぽろっと出るくらい。
しかし、その単語で唯世の様子がおかしくなった。






「………王子?」


「え?」


「王子?」


「あ。」


「ヤバッ」


『?』


〈なになに?〉


〈どうしたの?〉



「いま…王子って呼んだか?この…このぼくを…」
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