未来へ
□第六話
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「ねーねー聞いたー?」
今年もややと同じクラスになったあいは朝いちばんに声をかけられた。
〜第六話 誕生、キャラなり!アミュレットハート!!〜
『……何がですか?』
登校してすぐに開いた本から目を離し、ややへ顔を向ける。
「なんか、5年生の担任の先生、始業式にくるとちゅうで自転車でころんで…川に落ちちゃって一週間入院してるんだってー!」
〈それはまた…〉
〈ずいぶんドジな先生だね…〉
「ねー!ややも聞いてびっくりしたー!」
今年も賑やかになりそうだ。
隣でリズたちと話すややを見て、あいは気が重くなる思いだ。
『あの…結木さん』
「“結木さん”じゃなくて“やや”!」
『……早く席に着いた方がいいですよ』
「大丈夫だよ!まだ先生来てないもん!」
「残念。もう来てますよ、結木さん」
「え…」
余裕よゆーとなっていたややの頭を担任が出席簿で軽く自分の存在を知らせる。
周りを見てみれば、もうすでにやや以外のクラスメイトは席に着いていた。
「早く、席に着いてくださいね」
「はーい…」
くすくすと聞こえる笑い声の中、ややは渋々自分の席へ戻っていった。