未来へ

□第八話
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「えーっミュージックポップの公開録画!?」



「そ!ややがハガキ送りまくって当てたの〜♡」





放課後のガーディアンお茶会。
ロイヤルガーデンでは女子の皆が話に花を咲かせていた。








〜第八話 迷宮のバタフライ〜









ミュージックポップとは、金曜日のゴールデンタイムに放送される音楽番組。
人気アーティストや旬なアーティストが出るため、音楽番組の中でも人気が高いのである。



で、話を戻し…
その当選ハガキが4枚、ややの手の中にあった。





「来週の金曜、なっちんといくんだけどーあと2枚チケットあるから、あむちーとあいちんもどう?」




「え?あたしもいっていいの?」



「もっちろん♪あいちんもいくでしょー?」



『え…』






急なややの誘いにあいは戸惑う。
彼女たちのお出かけに自分も入っていいのか…と。






「行こう、あい!」


『……うん。』






しかし、行く気満々なあむに、あいも断れなくなってしまった。





『(まぁ…いっか。あむさんから離れるわけにはいかないし…)』





そう思いながらも、実は誘われて嬉しかったりする。
が、それも顔に出ないのがあいである。






「ややちゃんのお目当てはP-TUNEでしょ?」



「あっ、それはもう終わった恋なの!いまはDARTSのショウくんだから!」



「相変わらず移り気ねー
そのてん、わたしは演歌界のプリンス、香川まさし一筋だもの♡」



「お、なんの話?」



「空海はいーのー
女の子だけの話なんだから」





ひょっこり現れた空海をさらりとややにあしらわれる。
鳩羽さんの件から数日が経ち、あれから×たまもあらわれない。

まあ、とりあえず平和な日々を満喫するあむたちであった。



















公開録画当日。




『すごい人…』


「さすが人気番組…あい、はぐれないようにね」





ミキによりコーディネートされたあむといつもよりちょっとおしゃれしたあいは二人一緒に家をでた。

電車を乗り、会場についたら人でいっぱいだった。





「えーっと、ややたちは…」


「おーい、あむちゃーん!あいちゃーん!」



「あっ…いっ?」





なでしこの声に振り返ったあむは愕然とした。

そこにはいないはずの人がいたからだ





「えーっ二階堂先生!?」



「やあやあやあ〜〜」



『………(二階堂先生…?)』



「あむちーとなっちーの担任の先生だって」







二階堂の登場にあむたちは小声で会議を始めた。





「ちょっとーっどーいうコト!?」



「それが…なんかバッタリあっちゃって…」


「先生も公録、当たったみたい…」


『世間は狭いものですね…』


「んん?ナイショ話かな〜?」





あむたちのプチ会議に対し、当の先生はにこーっと笑っている。





「キミたち、四人だけ?だれかおとなの人は?」



「「え…えっと、あのぉ〜〜〜」」



「んー…こどもだけでっていうのはちょっと感心しないなぁ」


「う…うぅ…」











で。






「(結局席までついてくるし…;)」


「わーいい席取れたね〜〜あっ、ポップコーン?チョコレート味?」


「あ…えと、食べます?」





結局、席までついてきた先生は、当たり前に4人に混ざってくる。





「(もーっ先生のおじゃまむしっ!)」



「ちょっとーあむちーたちの先生でしょ!なんとかしてよー」



「そんなこといわれてもっ」


『そのまま引いてくれる人とは思えないのですが…』





ややの駄々とは反対に二階堂のことを諦めているあい。




「あっあむちのコーラ!?」


「いいな、いいな〜ややちゃんもコーラ飲みたーい」


「とりかえてあげよっか?」


「えーっいいの〜〜♡」


『……あみさんのことを思い出しますね』


「…うん。この甘えテク…デジャブる」




ややの甘えっぷりに末っ子のことを思い出すあいたち。





「はいっ、こーかんこーかん」


「……!イースターッ」





あむのコーラとややのオレンジジュースを交換するとき、あむはコップに書かれた文字に驚愕した。

周りを見れば、あちこちに“イースター”の文字。
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