未来へ

□第十話
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「うわ、スゴッ…」




ガーディアン会議が終わった放課後。
あいとあむはややの通うバレエ教室に見学へ来ていた。

柔軟をする生徒たちは本当に骨が入っているのかと疑うくらい自由自在に身体をほぐす。








〜第十話 誕生!キャラなり アミュレットスペード!! 〜









「あむち――ん!あいち――ん!!
見てる見てる――!?」



「見てる見てる…やわらか!」


『すごい…』


「ふふん♪でしょー―!」




で、どうしてこうなったのかというと…




「てゆっか、やや…放課後アイス食べて帰ろうって話じゃなかった…?」


「発表会まえだからレッスン、サボれないんだよぉ
ちょっとだけ待っててぇ〜〜」


「まったく…ごめんね、あい…なんなら、先に帰ってていいんだよ?」


『いえ…見ています。好きなので…』


「そ、そう…?(楽しんでいる…のかな?)」


〈乙女チックですぅ〜〉


〈見てるだけでたのしーい♥〉


「あっアンタたち!」


ひょっこり出てきたしゅごキャラたちは、初めて見るバレエに興味深々…
ミキも早速デッサンを始めた。



〈そう言えばあいちゃん!バレエを見るの久しぶりだね!〉


「え?あいは前にも見た事あるの?」


〈なに言ってるの〜日本にきた時に…うぐっ〉


『知り合いのバレエを少し…』


「へえ…」




おしゃべりなリズの口を指で覆う。
初めて聞いた、と溢すあむには、あいの後ろでローザたちによりお仕置きをされるリズの姿は見えない。






「ちょっと…もっとはじっこでやってくれない“花の妖精 その二”さん?プリマの練習するんだから」


「あっ…ゴメン、舞ティ」


「なにあいつ…ヤなカンジ…」


〈あら、わたくしは気に入りましたわ。あの毅然とした態度…〉


〈プリマってことは、それだけの実力があるということですからね…〉




黒髪の少女の態度にあむたちが不快感を抱くなか、講師がやって来たようだ。





「はぁ〜〜〜い!フェアリーのみなさ〜ん、集合〜〜〜」


「あっミチ子先生」


「先生キャラ濃い!」


『(Fairy(妖精)って…)』


「それでは通しげいこをはじめま〜〜す」




キャラの濃い先生の合図で始まった通し稽古。
皆、流石に上手いが…先ほどややに冷たく言っていた、黒髪の彼女は別格だった。

素人の目から見ても一番上手いのだと分かる。




〈さっすがプリマ…〉


「ヤなヤツだけど、いちばん上手かも…」


「だよね――」




あむの隣で同意し、彼女のことを紹介するやや。(出番待ち)

プリマをしているのは、姫川舞香さん(通称、舞ティ)
ややの教室始まって以来、天才少女と言われている生徒で、お母さんが昔、有名なバレリーナだったそうだ。






「――!?」



ドタン!



「キャ――!」


「舞ティ!?」





すぐに通し稽古を中断し、靴を脱いだ彼女の足を見ると…青紫にはれ上がっていた。



「ひどいねんざだわ…週末の発表会はとてもムリね」


「そんな…わたしできます!」


「筋をいためては大変だもの…今回は代役をおねがいしましょう」





確かに、ここで無理をしてしまったら、将来に大きく影響する可能性がある。
ミチ子先生に言われて姫川は悔しそうに顔をゆがめる



そして、そのプリマの代役は…





「結木ややさん!」



「わ…わたし?」



「(えぇ――!?)」





まさかの配役だった。
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