悪魔執事と黒い猫 夢小説

□第7夜
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「買い出しってどこへ行くんですか?」




アモンの罰…という名の買い出しの仕事が決定したところでムーが切り出した。





「この屋敷の近くにあるエスポワールと呼ばれる街っすね。ここらじゃ一番栄えている街っすよ」


「楽しそうですね!僕も行ってみたいです!主様も行きましょうよ!」


「いやいや、ムー。主様をおつかいに行かせるなんて何を考えてるんだ?」


『私も行きたいわ!』


「ほ、本当ですか?主様…。ですが…さすがに主様を…」


「ハウレス、主様が行きたいとおっしゃってるんだ。行かせてあげたらどうだい?」


「大丈夫っすよ、ハウレスさん。オレがついているっすから」


「だとしてもな…。アモン一人だと不安だな」




ここまで心配されるとは思わなかった。街に行くだけなのに…ハウレスは心配性だ。
月華は、彼が心配するほど柔な女ではない。あちらの世界では幼い頃に誘拐はしょっちゅう、現在1人暮らしをしていることで、もしものことがあっても対処できるくらいだ。

そんな月華の事情など知るはずもなく、どうする云々を話していると…




「それなら私が同行しましょう。ちょうど、街の金融機関に用事があったところです」




また1人増えてしまった。

ナック・シュタイン。3階の部屋所属で、会計担当の執事。
鮮やか緑の髪に黒いメガネ…知的に見えてどこか艶やかに見えるのは色の違う左右の瞳のせいだろうか。




「主様、私はナック・シュタインと申します。何かお困りのことがあればこのナックが正確に解決しますので、以後お見知りおきを」


『初めまして、月華です。よろしくね、ナック』


「それに、あなたはしゃべる猫のムーくんですよね?」


「は、はい!ムーです!よろしくおねがいします!」



(正確に解決…定規でも持ってくるのかしら)



面白い表現にそう思ってしまったが、もちろん口に出ることはない。几帳面な人なのだろう。そう思っておこう。




「まぁ、ナックが一緒ならいいか…」


「じゃあ主様をよろしく頼むね。ナック、アモン」


「おまかせくださいっす」


「任せてください。私の命に替えても、主様をお守りします」




頼もしい返事を返してくれたのは嬉しいけど…




(街に行くだけなのにな…)



再びそう思わざるおえなかった。
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