HQ×黒子夢小説

□第7試合 おにぎりちゃんとGW合宿 1日目
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「午前の練習は終了。昼休憩の後、午後は練習試合だから遅れるなよ。解散!!」





主将の号令と共にそれぞれ動き出す。




「腹へったーー!!飯食って試合だ!」


「木兎うるせぇ…」





腹減ったのは同感だが、疲れて声出す元気があるはずもない。
この人の元気は一体どこから…


苦笑する先輩たちは流石というか、慣れている様子。







「お、来たきた!」



「お盆を持ってこっちにならんでね〜」





先輩マネたちが用意した昼食。
ちらっと見えたけど、うどんのようだ。
並か大盛を選び先輩マネたちから受け取り、肉や天ぷらが自由に取れる形式だった。

各テーブルにはおにぎりもあり、食欲旺盛な俺たちにはありがたいものだ。
自由席で窓側の静かな場所に座ろうとしたが、木兎さんに捕まり2年のグループで食べることになった。


適当に相槌を打ちながら昼飯を味わう。
うどんを完食したら、テーブルのおにぎりを一つ食べる。




「!!」



なにこれ…すごく美味い。
まだある山から遠慮なくもう一つ頂く。







「あーーーー!!」




うるさい…。


真横に座る先輩、言わずも知れた木兎さんだ。
何事かと見ると、木兎さんの片手にあるのは大口で食べたであろう半分のおにぎりだ。





「うるせぇぞ、木兎!」


「なんだよ、いきなり…」


「これ…これ…」






言葉になっていないものに、先輩たちも首を傾げる。





「おにぎりがどうかしたのか?」


「これ…このおにぎり…」


「は?」





何がなんだか分からず、小見さんもおにぎりを一口。





「…美味いけど…これがどうしたんだ?」


「これ、おにぎりちゃんのおにぎりだ!」


「は?おにぎりちゃんって…」


「瑠璃咲さん…ですか?」






名前を出してみると、木兎さんは目を輝かせながら続けた。





「そうそう!前に食べた、おにぎりちゃんのおにぎり!すっげぇ美味かったから、覚えてる!」




と言って、手に持っていたおにぎりのもう半分を食べた。
でも、そうなると疑問がある。





「なんで、そのおにぎりちゃんの…」


「瑠璃咲さんです」


「そうそう、瑠璃咲ちゃんのおにぎりが何でここにあるんだ?」




そう、それだ。
現に瑠璃咲さんの姿は見えない。先輩マネたちが作っても全く同じになるとは思えないし…




「まさか…生霊?」


「ひぇ…」


「そんなわけあるか…」





阿保なことを言い出す先輩たちに主将が呆れたように話に入ってきた。







「実はな…――」









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