Bullet of the promise
□第一話
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空港から一度日本の家に荷物を置いたら、上司の指示で再び外へ出てバスに乗った。
そこには、可愛らしい子供たちや顔見知りのおじいさん、その他乗客が数人。
私はある少年を一瞥しながら一番後ろの席に座ると、彼も私のほうを見て、不思議そうな顔をして首をかしげていた。
それから、バスは発車しおじいさんの連れの子達がおじいさんにお説教していた。
「どっちが子供なのかしら」と子供たちとおじいさんの会話を聞きながら可笑しく思う。
≪次は「米花公園前」、次は「米花公園前」≫
と車内放送が響き、バスは左折したらゆっくりと停車した。
バスの扉が開くと、七人の乗客が乗ってきたのを見たおじいさんは、後ろを見ている二人の子供たちに注意をする。
子供たちは子供たちでその注意を素直に聞いて前を向いて座った。
うんうん、素直でいい子たちだ。
その乗客の人の中に子供たちの知り合いなのか、“新出先生”と呼ばれる男性がいた。
その後ろには、これまた見覚えのある外国人女性も。
私は彼らの楽しそうな会話を聞きながら、窓の外をみていた。
「失礼」
と窓を見ていたとき、マスクをはめた男性が隣に座ってきた。
窓際につめてそのまま外を見ていると、隣から大きな声でゴホゴホと咳をしていた。
最近風邪が流行っているのかしら?
気をつけなければ。
私たちの前に座っている少年は私とその隣にいる“彼”を怪しむような視線を感じた。
そんなに警戒しなくて大丈夫よ〜
「おい、見ろよー!!
あの二人、こんなところからもうスキーの格好をしているぜ!!」
「うわ!せっかちですね〜」
体の大きな少年が指を指して前にいる男性二人のことを言った。
それを聞いた連れのおじいさんや他の子供たちは少年の言った男性のほうを向いた。
確かに子供たちが可笑しく思うのも無理はない。
その男性二人はスキーの格好をしているだけでなく、ニット帽やゴーグルまでしていた。
「でも、気持ちは分からなくないわ!!」
「はい!!」
少女の言葉にそばかすの子や太っている子も笑った。
可愛い!!やっぱり子供っていいね、純粋で!
ほっこりしていると視界の端で、子供たちの話題となった二人の男性はスキーバックの中に手を入れ、何やらごそごそし始めた。
(やな予感がするな…)
なぜかそう感じた。
気のせいだといいが…、と思うが、その期待はガラガラと音を立てて崩れた。
「騒ぐなー!!騒ぐと命はないぞ!」
「「「「!!!!!????」」」」
子供たちの笑い声が響く中、なんと男二人は拳銃を取り出し乗客に向けて叫んだ。
(バスジャック…)
こんな時に勘の良さなんて働かなくていいのに…
そんなことを思いながらこっそりため息を吐いた
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