Bullet of the promise
□第六話
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「お姉ちゃんに…命を…?」
私は一つ頷くと、目を丸くして驚く友人の妹に彼女との出会いを話した。
『あれは、6年前・・・
アメリカの大学に通っていた私は、夏休みで日本に帰ってきた時の事。
久しぶりの故郷で、新一や蘭、博士たちに会おうって思ったら・・・
運悪く交通事故に遭った』
〜過去〜
私はすぐに近くの病院へ運ばれたけど、出血が多すぎて輸血がないと助からないところだった。
「今すぐ輸血の準備を!!」
「しかし先生、前の手術患者も同じ血液型で在庫がもう・・・」
「何だって!?急いで●型の血液採取を!!」
時間も在庫もなく、もう助からないかと思ったら、一人の女性が申し出た。
「じゃあ、私の血を使ってください!!」
その女性の名は宮野明美。そう、貴方のお姉さんだった。
彼女は私が事故にあったとき、真っ先に救急車を呼んで、一緒に病院まで来てくれた。
「私も同じ血液型です!時間がないのでしたら、私の血を使ってください!」
「そうか!それは助かった!
それじゃ、念のため血液検査とその後一致したら採取を!
輸血の準備だ!」
その後、血液型が同じだった彼女のおかげで手術は成功。
病室で寝ていた私に、ずっと傍に付いていてくれた。
「あ、目が覚めましたか?」
『天使?ここは天国ですか?』
「(天使?)いいえ、ここは病院です。事故にあったこと、覚えていますか?」
『ええ・・・ぼんやりですが・・・』
少し視線を下げると彼女が腕を抑えているのを見て血の気が下がった。
『吸血鬼!?』
「え!?ええと…輸血を少々…」
『それって、もしかして・・・私に?』
「あ、気にしないで下さい!私が勝手に申し出たので!!
そうだ!今先生を呼んできます!」
私は部屋を出ようとする彼女を引きとめた。
『私、星宮友梨奈。貴方は?』
「宮野明美です!」
それが、彼女との出会いだった。
私を手術してくださった先生から、私の命が危なかったこと、彼女が私に血をたくさんくれたことを聞いた。
入院中、彼女は何度も私のところに来てくれた。
自分のこと、大学のこと、今日あった出来事・・・
病院に来て、彼女とたくさんのことを話した。
勿論、妹である貴方のことも。
退院したころは、夏休み期間が終わりかけて、すぐにアメリカに帰らなくてはいけなくなった。
結局、新一たちには会えなかったけど・・・満足だった。
彼女と話した毎日が楽しかったから。
あの日から、彼女とは友達になって、連絡先の交換もした。
そして最終日には空港にも見送ってくれた。
『今度日本に来たときは、どこか二人で出かけよう!』
「そうね。それまではケータイでの連絡で我慢ね!」
アメリカに帰っても、明美とは電話やメールでたくさん話した。
彼女は明るくて優しい人で、何度もお互いを励ましたり、喜んだりした。