Bullet of the promise
□第六話
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約束の日曜日
「やっと会えた!」
『感動の再会だね!』
「そ、そうだね…」
『仕事もとりあえずは片付けてきたから、良かった!』
「ここのカフェ、すごく美味しいのよ!一度大君と一緒に来たのよ!」
『そうなんだ!
今日はその彼氏さんと用事なかったの?どこか、出かけるとか・・・』
「あ、うん・・・大君も最近、忙しいから・・・」
『……明美、諸星さんと何かあった?まさか浮気を!?』
「ううん、何でもないよ!そんな怖い顔しないで!
ただ、‘大君に会えなくて寂しいなぁ’って思っただけだから!」
『相変わらず、仲がいいね〜』
「友梨奈も彼氏作ったら?友梨奈だったら、すぐ出来るよ!!綺麗で頭もいいし、優しいし!家事も運動も出来て…もう完璧!!
天然以外…」
『それは明美に言われたくない…
でもそんな明美だからきっと諸星さんも好きになったんじゃない?』
「私、別にそんなことないし、ドンくさいだけだから…
それに…大君はそんなんじゃないよ、多分…」
『明美…?』
最近、明美は諸星さんのことを話すとき、時々悲しそうな顔をしていた。
‘何かあったのか?’と聞いても、‘何でもない、大丈夫!’って答えるだけ。
このときの私は、何も気付いてあげられなかった。
明美の悩みを、無理にでも聞き出せばよかった。
今になってそう思い出した自分に腹が立つ…
その翌年。
休暇で来日していた私がアメリカに帰るとき、明美は、いつものように見送りに空港まで来てくれた。
しかし、明美は数日前、諸星さんと別れたそうだ。
‘あんなに仲が良さそうだったのに、どうして?’と思い、明美に聞いたが、本人は何も答えずに誤魔化すがいつもこう言っていた。
“別れても、大君と付き合えたこと、後悔してないから!”
笑顔で…
『わざわざ、見送ってくれてありがとう!明美』
「また、離れてしまうとなると、寂しいな・・・」
『また休暇や仕事で、帰ってくるよ。
その時はまた、遊ぼうね!!』
「うん。今度こそ、妹を連れてくるわ。私の自慢の妹をね!」
『楽しみだな、明美の妹!その子もハーフなのでしょう?
イングリッシュペラペラ?』
「あれ?友梨奈アメリカにいるんだよね?その英語の発音どうなの?」
『ほっといて!』
「今度こそ、絶対につれてくるから!!」
『OK!約束だよ!!』
そう言って私たちは別れ、再びアメリカと日本での電話、メール生活になった。
前と違うのは、時々、お互いの仕事が忙しく、電話やメールが途絶えることが多くなったこと。
それでも、私たちは頑張って乗り切れたと思った。
そう・・・
あの日までは・・・