Bullet of the promise
□第七話
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『…話したいことはそれだけ。ごめんね、長居をしてしまって。
さっさと立ち去るよ』
彼女にそう言って、立ち上がった。
横を過ぎようとしたら、クンッと袖を引っ張られる。
後ろを振り向くと、椅子に座りながら私の袖を掴む哀ちゃん。
顔は俯いているが、唇を噛み、耐えている様子が見えた。
「・・・命に変えてまで私を守らないで。
お姉ちゃんが殺されたのは、貴方のせいじゃない・・・貴方は彼らに友人を殺された“被害者”。
それなのに、私のためにあなたが命を落としたら…
お姉ちゃんに怒られちゃうっ…」
『!!』
顔を上げた彼女の目には今でも零れ落ちそうなくらいに溜まった涙。
そして椅子から立ち上がり、私の腰にしがみ付いた。
「お姉ちゃんのこと知っている人に会えたのに・・・
ようやくお姉ちゃんが会わせたいって言っていた“ユリナさん”に会えたのに・・・
死なないで!!
もう、誰かを犠牲にしたくないの!
傍にいて!私が見えるところにいて!
離れないでよ!」
私の腰にしがみ付き、涙を零しながら言ってくる少女を再び膝を付き、抱きしめた。
それを合図に、少女は今まで堪えてきた気持ちを吐き出すかのように、抱きしめる彼女の胸に顔を押し付け、声を上げて泣いた。
私も頬に雫を滑らせながら、抱きしめる腕を強め、少女を力いっぱい抱きしめた。
一時の間、二人はそのまま動かずにいた。