Bullet of the promise

□第九話
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一方、FBIは杯戸中央病院にいた。





「見ました?今朝のテレビ」



「あぁ。土門さんが占拠の出馬を今回は見合わせたっていうニュースだろ?」



「理由は、官僚だった父親の不倫疑惑が発覚したから。

それも20年も前の」






赤井の後ろでジョディとジェイムズは今朝あったニュースについて話していた。



日売テレビがその情報を掴んで伏せる条件で、土門は単独インタビューに応じたが、それは水無怜奈が勝手に仕組んだことだったため、テレビ局のほうには通っていなかった、と。







「まぁ、それで出馬を断念するような律儀は男だったと分かっていれば、彼ら(黒の組織)も苦労しなかっただろうがね」



「でもその彼ら・・・せめてもう2,3人捕まえることが出来たら」



「足を打ち抜くことが出来たが、防弾ジャケット越しに弾をぶち込むだけに止めておいたよ」







ジョディがボソッと呟いたら、今まで無言だった赤井が口を開いた。






「ヘタに足止めして・・・街中で銃撃戦となれば・・・一般人に被害者が出かねなかったし。

あの場合、発信機と盗聴器を仕掛けたのは、FBIだと奴らに思わせることが最優先だったんだろう?」



「そうだけど・・・」






三人はある部屋の前で立ち止まり、扉を開けた。





「それにまだ奴らとの糸は・・・













切れたわけじゃない」











そこには、患者用ベッドで頭に包帯を巻いて眠っている、キールこと水無怜奈の姿があった。


中に入り扉を閉めると、ジェイムズは医者から聞いた彼女の容態を話した。






「命に別状はないが、意識が戻らないらしい」



「回復を待つしかなさそうですね。

彼女が入院していることは伏せてもらっていますし・・・」
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