Bullet of the promise

□第十一話
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蘭と出かけた日の数日後。




私は、水無怜奈の監視交替後、病院内を歩いていた。




「あら、友梨奈。今から交代?」



『はい。ジョディさんも今から?』



「まぁね・・・早いところ、彼女が目を覚ましてくれないかしら・・・」



『そうですね……人間は冬眠しませんよね…』



「当り前よ」







「まぁ、彼女の意識が戻ったとしても・・・簡単には口を割ってくれないだろうがな」









『「!!??」』ビクッ






私とジョディはある一室に入り、話していると、急に男の声が聞こえた。



二人して振り返ると、何時の間にいたのかポケットに手を入れたままいつものポーカーフェイスをした赤井の姿が・・・






「もう!気配を消して近づかないでよね、シュウ!」



『びっくりしました…心臓飛び出そうでした。

飛び出たら、ジョディさんよろしくお願いします』



「そう簡単に心臓は飛び出ないから安心しなさい」



「これくらい、お前なら気付けたんじゃないのか…気を緩めるな」



『すみません。私はコンビニよろしく年中24時間無休警戒心駄々漏れなんて出来ない人なんで…』



「それは俺のことを言ってるのか?」



『他に誰かいるとでも?』





私の隣にいる彼とちょっとした会話をしていると、その様子を見ていたジョディさんが口を開いた。









「シュウも友梨奈もなんだかんだでいい雰囲気ね♪
FBIの中で“二人は付き合ってる”と噂されているのも頷けるわ」



『……ジョディさん。




















私は赤井さんが求めている新たな刺激を与えることができませn――(ベシッ!)

痛いです赤井さん何でチョップするんですか身長縮んでしまったらどうしますか?』




「されて当然だろ。人をなんだと思っている」




「天然なのか、鈍感なのか…はたまたただのバカなのか…」




『全部褒め言葉じゃないですよね?貶されてるんですよね、私?

まあ、何度も言いますが、私と赤井さんはお付き合いしてませんよ。それに…』









赤井さんは“彼女”が…













「それに…?」



『!!あ、いえ…何でも…』






ジョディさんの声にハッと我に返るとこの後の用事を思い出した。





『あ!すみません、私用事があるからちょっと出てきます!夜までには戻ると思います。

何かあったら、公衆電話へ連絡ください!』




「携帯に連絡するよ。公衆電話に連絡できないんだから」





話すだけ話して、二人と別れて病院から出て行った。













ジョディSIDE





友梨奈は自分の話を話すだけ話して行き(公衆電話どうこうはほっといて)、病室内は私とシュウの二人だけになった。




彼と静かな雰囲気の中、私は窓の外を見ている彼に振り返り口を開いた。







「で?本当にこのままでいいの?友梨奈との関係」



「・・・何のことだ」



「とぼけてもダメよ。あの子に告白したってこと、FBI内で知らない人ほとんどいないわ」







私の問いにシュウは何も言わずただ腕を組んで外を眺めていた。






「…ずっと会いたかったんでしょ?あの子に」






何を言ってもシュウは窓の外を見たままだった。



私は何かあるのかと思い彼の隣に来て、彼が見ているところと同じところを見た。



するとそこには、病院から小走りで出て行く友梨奈の姿があった。




彼女の顔を見ると、とても嬉しそうな表情だった。


そんな彼女を見ていると、黙っていたシュウは静かに言った。






「…確かに俺はアイツに会いたかった。まあ、アイツは覚えていないみたいだが…」




「じゃあ、どうしてもっとアプローチかけないの?」




「今以上にそんなことすれば、アイツが困るだけだ。惚れているからこそ、アイツを困らせたくはない」









そう言う彼はどこか遠くを見ているような目をしていた。






「(これじゃあ、私が入る隙間もないか…)」





そんな彼を見て私もそう思うのであった。



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