Bullet of the promise
□第十五話
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カツン、カツンと静かな夜が漂う病院の廊下を見回る看護士さん達の足音が響いていた。
そんな見回りの看護士の目を盗み廊下を歩く者がいた。
カチッ
ブーブー
「あら、またこんな時間に根岸さんのナースコール。また誤作動かしら?」
ナーステーションにある病室番号と名前のランプとナースコールが知らせでその場にいた看護士は根岸さんの病室に向かった。
そして、ナーステーションは今誰も居なくなり、近くに隠れていた者がその場所に入っていった。
薄暗い場所から現れたのは楠田陸道。
その手に持っているのは、カメラだった。
パシャッ
カシャッ
「(水無・・・水無・・・この病棟にもいねぇか・・・)」
「ちょっと貴方、何やってるの!?」
楠田が持っていたカメラで病棟番号と名前を写しながら、水無怜奈の居場所を捜していたら、さっきナーステーションから離れた看護士とは別の看護士が楠田を不審に思って叱りの言葉をかける。
楠田はトイレに行こうとしたら道に迷ったと言って誤魔化しその場を離れようとしたが・・・
ゴツンッ!
持っていたカメラが机の角に当たって、カメラを落としてしまった。
「!(あっ!)」
落としてカメラの存在を見られてしまったことに動揺がでてしまいそうになりそうだった。
「ほら、早くトイレ済ませて病室に戻って」
「どーも、どーも・・・」
しかし、その看護士はカメラを怪しむどころか何も疑いもせず、それを拾って楠田に返した。
楠田はその場をこのまま立ち去ろうとしたが、あることに気付き、後姿のまま喋り始めた。
「って・・・可笑しくねぇか?看護士さんよ・・・
このカメラを見りゃ俺がナースステーションに入って何かの写真を撮っていた事ぐらい想像できるだろう?
なのに何のお咎めも無かよ?
何者だ、てめぇ?」
ゆっくり首を動かした楠田は怪しむような顔をした。
ダダダダダッ!
「FBIよ!両手を見てるように頭の後ろに組んで、跪きなさい!」
数人の捜査官と銃を持ったジョディが影から
出てきて、楠田に言った。
FBIの登場に楠田は水無怜奈の居場所を突き止めたが今の状況に落ち着きがあり、何かある様子だった。
「もう少し泳がせて確実な証拠を掴むつもりだったけど、必要なかったようね。
さぁ、早く跪いて!患者さんが起きない内に!」
「じゃあ、目を覚まさせてやろうじゃねぇか・・・
このC4を破裂させてなぁ!!」
首に巻いてあった治療器具外すとその下にはC4、プラスチック爆弾が巻かれていた。
「動くなよ。このフロアを吹き抜けにしたくなきゃな・・・」
楠田は爆弾のスイッチを手にしてFBIの動きを止めたら、高笑いとしながら暗闇に入った。
「彼は多分自分の病室に戻って痕跡を消し、そこの窓から逃走する気よ!外から回り込んで逃がさないで!」
しかし、ジョディの予想は外れ、楠田は病室に寄らず、車に乗っていったみたいだ。
病院から外に出たジョディたちの前には車で逃走した楠田の姿。
だが、そのすぐ後追うように見慣れている黒いシボレー、赤井の愛車を目にした。
「(シュウ・・・)」