Bullet of the promise
□第十五話
2ページ/3ページ
≪頼んだぞ、赤井君!
組織に連絡される前になんとしてでも、彼を確保するんだ!≫
「了解。もっとも、奴が携帯を今も所持していたら止められませんがね…」
『ご心配なく』
ジェイムズさんとの連絡している赤井さんに言った。
『彼が居ないときに携帯を水に沈めてこの子と一緒に故障させましたから』
彼の目には私とその上にコナンくんが助手席に座っており、一緒にシーベルトまではめているのが写っているだろう。
「うん!」
「……いつも思うのだが、友梨奈。
お前は何時どうやって俺の車に乗ってるんだ?」
『勿論、赤井さんが車の鍵を開けたときに一緒に乗っていますが…』
急にどうしたんです?、と首を傾げる私。
あら、そんな深いため息吐いちゃって…幸せ逃げてしまいますよ?
一方、楠田はカチカチと携帯を使おうとしたが、水に沈められたため動くはずもなく、毒づきながら後部座席に投げ捨てた。
そして、助手席のボックスに手を伸ばし中から拳銃を取り出した。
「フン・・・俺たちを信じてたんじゃなかったのか?」
「念には念を入れただけさ・・・
でも派手に見張りを付けて焦って捕まえようとすれば、こうなる可能性がある事ぐらい、
赤井さんなら読めてたはずだよね?」
コナン君の問いに赤井さんは
「さぁ?どうだかな…」
とはっきりしない返事を返しアクセルを踏み込んで車のスピードを上げた。
あの…交通安全にはくれぐれもご注意をお願いします…。
楠田は運転席の窓を開け拳銃を発砲するが、黒い車は少しブレーキをかけスピードを落とし弾丸を避けた。
自分の後ろに行った車の運転手をサイドミラーで見ると・・・
「(あ、赤井秀一だと!?)」
組織からシルバーブレットと恐れられている男を目にして焦りを見せる楠田。
そして、さらに・・・
「(しかも、隣に居る奴…噂の“バラ姫”か!)クソッ!」
『さて、このまま鬼ごっこするわけにも行きませんよね。
ちょっと手荒ですけど、タイヤをパンクさせて捕まえましょうか…』
「え!?相手の手には爆弾スイッチも持っていたよね?」
懐からサイレンサー付きの拳銃を出す私にコナン君は止めようとする。
えー、どうしよっかな〜
おねーさん迷っちゃう…やめて、そんな目で私を見ないで!
『大丈夫よ。恐らくあの爆弾は偽物。
さっき横に並んだとき、彼の右手には拳銃。左手はハンドルだったでしょ?
追いつかれたのなら、さっきみたいにスイッチを見せて脅せばいいのに、あの人の左手にはハンドル以外何も持っていなかったよ』
「(暗闇とあの状態で見えたこの人の目はどうなっているんだ…;)」
軽く拳銃を操作しながら思った事を説明する。
『コナン君。危ないから、私に寄りかかって頭を下げて』
「う、うん///」
おや?顔が赤いようだけど…もしかして…
もしかして…
風邪!?
すっかり寒くなったもんね、インフルエンザとか気をつけないと…
『ダメだよ、コナン君』
「な、何が!?」
帰ったら手洗いうがいをさせないと…
と、考える私は…
「(やっべ…後頭部に何かすげぇ柔らかいものが当たって…ヒッ!!なんか運転席から殺気が……)」
とコナン君が怯えている事なんて知らなかった。
助手席の窓から拳銃を突き出し、楠田の車のタイヤに向けた。
しかし発砲しようとしたその時・・・
ドンッ!
「「『!!?』」」
ワ、ワタシジャアリマセン…
いや!本当です!信じてください!
自分が撃ったものではない発砲音が聞こえたとほぼ同時に車は道に外れ、ガードレールを壊し下にすべり落ちた。