Bullet of the promise

□第十七話
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赤井SIDE



友梨奈が屋上から戻り、残された俺は彼女から返された上着を着た。



短い時間しか着ていなかったのに、上着からは彼女の匂い(何かの花だろうか…)が漂う。


別に上着をかけたことに特に下心なんてなかった。


だが、その香りによって・・・










無意識に胸が高鳴る。







着せたとき、彼女はほんの少しの間、目を閉じ大人しくなったが、すぐに目を開け俺に上着を返した。




暗闇でほんの少ししか見えなかったが、彼女の目は罪悪感を表していた。




その様子にすぐに彼女の友人であり、自分の元恋人のことを思っての行動だと察した。






どんなに彼女に想いを言っても、どんなにそのことを行動に表していても、彼女は俺の気持ちを受け取りながらも、どこか今の関係以上の行動を避けている。






風に退かされた髪から覗く彼女の目は、苦しそうで、




彼女の中に、鎖のように彼女自身を縛り付けるものがあるのを感じた。(プリンはとりあえず置いておいて)




空を見上げ元恋人から送られたメールの内容が頭の中に浮かんだ。











―――――――――――
大君・・・        
もしもこれで組織から 
抜けることができたら

今度は本当に彼氏として
付き合ってくれますか?

      
明美





P.S.

―――――――――――








明美からの最後の一通を開き、見ていて思った。




「(お前なら、アイツの鎖を解くことが出来たのだろうか・・・)」







そう思っていたところ、隣から扉の開く音が聞こえ声をかけられた。





「ねえ、ちょっと話しない?」






そこには、小学生とは思えないほどの頭脳を持ち、俺たちFBIに協力してくれている少年。





「フン。奴らを迎え撃つ策なら、まだ思案中だが・・・」



「でもさー、僕赤井さん見てて思ったよ・・・もしかしたら僕と同じこと・・・



考えてるんじゃないかって」



「!ホォ・・・」




ボウヤの言葉につい口癖がもれた。



SIDE終
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