Bullet of the promise
□第十八話
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「さっき見た火災の被害者たちかしら?」
次々と杯戸中央病院に来る車がやってきて入っていく中、ジェイムズさんの無線に連絡が入った。
正面玄関で待機している捜査官から玄関口が怪我人や病人で殺到し、怪しい者のチェックがしきれないとの報告だった。
≪怪我人たちの話によると、この近辺でほぼ同時に3つの事故が発生したらしく・・・
集団食中毒、異臭騒ぎと火事です!≫
「彼らの仕業か・・・」
「でも異臭騒ぎと火事は時間を合わせて起こせますが・・・食中毒は潜伏期間に個人差があって」
「恐らく、それに似た症状のでる毒薬を使ったんだろう。
他の2件と同様に・・・被害を死者が出ない程度に設定しより多くの患者がここに駆け込むようにな・・・」
しかも3件とも被害にあった人の病状は吐き気などの体調不良もしくは喉や目の痛みで見た目には判断しづらいもの。
つまり、仲間を事故の被害者と装って病院内に大勢で紛れ込ませることは容易に出来るわけだ。
「奴らの狙いはやはり水無怜奈の病室の捜索だな」
「えぇ。人海戦術でしらみ潰しに調べ回れば恐らく短時間で・・・」
「いや、それはない」
ジェイムズさんとジョディさんの会話を聞いていた赤井さんはそう否定を上げた。
「それだけ仲間を大量に送り込みそんな不審な行動をさせれば・・・我々FBIに捕まる恐のある仲間の人数が跳ね上がる。
そんなリスクを負うような奴らじゃないさ」
「じゃあ、この騒ぎは・・・」
「ああ。狙いは恐らく別の何か・・・」
煙のたつ建物のほうを睨みながら組織の狙いを思考回路で突き止めようとすると・・・