Bullet of the promise
□第三話
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新一と阿笠博士と再会した数日後。
休暇であることを利用して一人で住むにはちょいと広いすぎる家の中を掃除していた。
バタバタしていた数日から、ようやく手に入れたお時間。
休暇とはなんて素敵なものなのでしょう
アメリカに行っている間は時々幼馴染に掃除を任せていたが、このところ“彼”も忙しいため、ところどころほこりが溜まっていた。
そのうえ、今日はお客さんが来るから特に念入りに…
すると、ズボンの後ろポケットに入れていた携帯が鳴り響く。
ディスプレイには見慣れた11ケタの数字とその番号の持ち主の名。
何の躊躇なく、着信ボタンを押す。
『はい?』
≪俺だ≫
『…どうしましたか?』
ここで“オレオレ詐欺は…”を言わなかった!偉い!
と、内心褒めながら、電話の相手の話に耳を傾けるが…
『………Pardon?〈なんて?〉』
男の話に聞き間違いだろ、と思わず聞き返す。
≪聞こえなかったのか?≫
“ジェイムズが誘拐された”と…
・・・・・。
聞き間違いじゃなかったーー!
と、携帯を片手に近くの壁にもう片手をつきうな垂れる私。本当はorzになりたかったよ!でも急にすると膝が痛くなるからやめたよ!偉いでしょ!
≪もうマンション前に来ている。3分で着替えて来い≫
短い指示の後、ブツッと通話は切れた。
『………。』
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キッチリ3分後。
言われた通り、マンション前の車、黒のシボレーに乗り込んだのはいいが…
『………。』
「…機嫌悪いな」
私の眉間のしわを見てなのか、隣の運転席に座る男は話しかける。
『折角の休暇なのに急に“3分で来い”と呼び出された上に一方的に電話を切られて不機嫌になるなという方が難しいですよ』
ツーン…、と効果音が付きそうなくらい顔を逸らすと、お隣さんはクククッ…、と喉を鳴らす。
『それで、ジェイムズさんは誘拐された時何か落として行かなかったのですか?』
「ああ、それなら…」
男は言葉を途中で止め、急に車の速度を落とし始めた。
何かと思い、彼と同じ方に顔を向ける。
視線の先には歩道に佇む5つの小さな人影。
その中で特に男は茶髪の少女を見ていた。
(おっと…こんな所見られたらまずいまずい…)
もう一人の小さな影に気づかれぬよう、持ってきた帽子を被り顔を隠す。
「―――ッ!!」
茶髪の少女がこちらに気づいたとほぼ同時に落とした速度を戻した。
彼らから見えなくなった距離にフゥ〜、と帽子を取った。