Bullet of the promise

□第二三話
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更に数日後。






哀ちゃんとの約束のため晩御飯の買い物から一緒に行こうと誘いに博士の家に来ていた。







『え?哀ちゃんいないんですか?』








「すまんのぉ…少年探偵団の子供たちと一緒に木馬荘に行って…まだ帰ってないんじゃよ。」



『木馬荘ってこの近くですよね?

子供たちと行ったなら、遅くても夕方に帰って来るかな…それまで夕飯の買出しに行ってきます』






そう言って阿笠邸を出た。








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その後、買い物袋を下げながら阿笠邸に戻ったら、そこには家にいた博士とコナン君、哀ちゃん。



そして見知らぬ男性がいた。






なぜか哀ちゃんは私を見たときすぐに博士から私の後ろに隠れた。





「おぉ、友梨奈くん。おかえり」



『ただいま帰りました。哀ちゃんもお帰り。コナン君も来ていたのね。




えっと・・・彼は?』







博士に声をかけられて哀ちゃん、コナン君、男性に顔を向け答えた。







「僕達探偵団が行った木馬荘の住人で大学院生の・・・」



「沖矢昴です。はじめまして」



『…?(…あれ?…初対面なのに何で…?)』






手を出した沖矢さんに目が離せない状態で立っているとクイッと服の裾を掴まれたことにハッと我に返って彼から目を逸らし、服を掴んでいる哀ちゃんを見た。






「ど、どうしたの?友梨奈さん」



『あ・・・ううん、なんでもない。
すみません沖矢さん。ぼーっとしてしまって・・・



初めまして、星宮友梨奈と申します』







沖矢さんの手を取り挨拶をした。





彼も気にしないでください、と言いながら握手を交わした。




『それで何の話していたの?』



「ああ。沖矢君が工学部の大学院生で行く行くはワシの商売敵になるかもしれんという話をしていたのじゃ」



「いえいえ、そんな。

しかし広いお住まいですね・・・ここにその子と彼女の3人で?」



『いえ、私は時々ここに来ている者で住人ではないです』



「そうだったんですか。









じゃあ、住人がもう一人増えても問題はなさそうですね?」









「え?」



「!!?」ドクン






哀ちゃんは沖矢さんの言葉で反応を見せた。

組織の気配に敏感(新一情報)である彼女の様子から見て、彼は組織と何か関係があるのではないかと沖矢さんを見る。








「実は住んでいたアパートが燃えてしまいまして・・・よろしければ新しい住居が決まるまでここに居させてもらえないでしょうか?


勿論、暇な時は博士の研究の助手でも何でもやりますよ」



「あ、ああ・・・構わんよ。その子がよければじゃが・・・」






と博士は私の後ろに隠れている哀ちゃんに顔を向けると本人は激しく首を横に振る。

首取れちゃいますよ?冗談だけど







「じゃあ、新一兄ちゃんの家を使う?」



「新一兄ちゃんの家?」



「うん。今は誰も住んでいないから。
ほら、隣のあの家、ボク鍵預かってるんだ」



「ホォ、立派な家だけどいいのかい?」



「ちょっと!」







哀ちゃんは後ろからコナン君の肩を掴み引き寄せ、小声で話した。





「何考えてるの?あんな素性もよく分からない人に家を貸して、もしも貴方の秘密がバレたらどうするの?」



「大丈夫だよ・・・・














ホームズファンに悪い人はいないから!」













「『はい?・・・』」










コナン君は周りに花が咲いたような笑顔で自信満々に言い、思わず目が点になった。
隣にいる哀ちゃんも同じ反応。

え、何その理屈。全然説得力ないんですけど。








「はい、これ家の鍵」



「本当にいいのかな?その新一兄ちゃんに断らないで・・・」



「うん!後でメールしとくから」



「ありがとう。助かるよ」



「その代わり・・・留守はしっかり守ってよ・・・」



「ああ・・・もちろん・・・」






一見普通の会話がどこか深い意味が混じっているような気がした。







(新一・・・?)







コナン君、いや新一がいつもは自分の存在を隠したがるのによく知らない、しかも初めて会ったばかりの人に家を貸す行動が不思議でならなかった。




まるで、沖矢さんが信頼できる人だということを知っているかのように…
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