Bullet of the promise
□第二五話
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「別の種類の紙飛行機ですか?」
沖矢さんの発言に疑問を持った園子ちゃんに
紙飛行機に書かれたメッセージが一昨日と昨日とで違うのならSOSを知らせた人物の居場所を絞り込むことが出来る
と沖矢さんは話した。
「どうしてその紙飛行機がSOSなの?」
「機体に書いてある丸の大きさは表も裏もほぼ同じで棒の長さは3本とも丸3個分。
そしてこれを開くと丸と丸の間は丁度丸1個分」
『…通信手段としてよく使われていたモールス符合、ですね…』
沖矢さんの後ろから紙飛行機を覗きながら言葉を紡いだ。
『丸は短点、棒は長点。短点3つでS、長点3つはO・・・』
「つまり・・・SOS。
救助を求めるための信号になるってわけさ!ってメールにも書いてあるんだけど・・・」
言おうとした言葉を蘭は携帯のメールを見ながら告げた。
「嘘!新一君も解いちゃったの?」
「うん。それで他の種類の紙飛行機があったら画像を送ってくれって・・・」
「新一君?そういえばここの家主の名も新一でしたよね?」
「あ、知りません?高校生なのに探偵をやっている新…」
「金一です!」
園子ちゃんの言葉を蘭は押しのけて遮った。
金一…?金一……金●一に似ているね。
「●っちゃんの名にかけて!!」ってやつ。
「クラスに推理好きの男の子がいて・・・」
「新一君ではなく金一君ですか?」
「あ、はい。ここに住んでいる新一は何の取り得もないただの高校生で・・・」
蘭は慌てて誤魔化そうとするが沖矢さんはそうは思わないと言う。
「なんにしろ、ここには彼が住んでいたという痕跡が何も残っていませんから。衣服や日記、アルバムの類などもどこにも・・・
まあ、目に付く所にはの話ですがね」
『………。』
「そ、そうなんですか・・・
ひょっとしたら私達が掃除しに来るから見られるのが恥ずかしくてどこかに片付けちゃったのかな?」
「“片付けて”っていえばさっき寄ったウェルカムバーガーの店員さんも看板に引っかかってる紙飛行機を片付けておいてくれって店長に言われてたよね?」
園子ちゃんがそう思い出したのを言うとすぐに取りに行こうと蘭に手を引かれ家を出た。