Bullet of the promise

□第二七話
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『玉ねぎ、人参、お肉っと・・・買い忘れはないかな?』




あの後、すっかり蘭と話込み、晩御飯のメニューは少々時間がかかるがビーフシチューにすることにした。



レジで会計をし、スーパーの出入り口で買い忘れがないかの確認をしたら、最近買った私の愛車(バイク)ヤマハのDS250ちゃんを走らせた。





料理が出来ない沖矢さんのもとに週1回訪れるが、飲込みが早いため上達も早く、料理のレパートリーも多くなってきた。



ビーフシチューは時間も手間もかかるが、彼ならすぐに覚えられるだろう。

しかし、彼はどこまで料理の腕を上げるのだろうか…。





そんなことを考えてながら走らせていると、いつの間にか、そんな彼が住んでいる工藤家に着いていた。



予定より早く来てしまったのに大丈夫なのかな?と思いながらインターホンを鳴らすが・・・









・・・・・。







あれ?






いつもより出るのが遅いな…



タイミング悪かった?






そんな事考えていると、鍵が開く音がして中から沖矢さんが顔を出してきた。





「いらっしゃい、友梨奈さん。随分、予定より早かったですね」



『すみません。バイトが早く終わってしまったのでそのまま来てしまいました。

今大丈夫ですか?もしかして、タイミングが悪かったりして…』



「ああ…昨日少し夜更かしをしてさっき起きたので、今急いで着替えて来たんですよ」




沖矢さんは後頭部を軽く掻きながら事情を話した。





うん。

確かにいつも整っている彼の髪は所々乱れている。




『あ、連絡すればよかったですね。すみません』






彼のもとに通うのは料理を教えることのほかにもう一つ。









彼の様子見。











ジョディさんから組織の新しい人物が動き出したことを聞き、哀ちゃんが彼を警戒する様子から、もしかしたら彼が組織の仲間ではないかと思った。



何故コナン君、新一が沖矢さんにあっさり家を貸したのか分からない。





だが、流石に監視する時間がないため、今は来るたびにこっそり何か変わった様子がないかと確認している。




沖矢さんはなかなか頭がきれて、工藤新一のことも何だか興味があるようだ。油断ならない・・・。










しかし・・・













「ぼーっとしていますが、具合でも悪いですか?」






どうして彼はいつも必要以上に近づくのだ・・・






料理を教えていて考え事で作業が止まってしまった私に気付いた沖矢さんは顔を覗きこんで聞いてきた。


端整な顔立ちでこんなに近かったら緊張しますよ・・・;
イケメン恐るべし。




それに…






どこか“彼”に似ている…







『だ、大丈夫です。続けましょう』






フイッと彼から顔を逸らし作業を再開する。







頬が熱いことは、気づかないふりをしよう。





だが、ちらっと沖矢さんを盗み見したら、何故か彼も口元に手を当て、私から顔を思いっきり逸らしていた。






何だ?






具合でも悪いのか?と思っていたが、隣で作業を再開する気配がしたため、そうでもなさそうだ。






じゃあ、今のは一体・・・?






日に日に、彼の謎は深まるばかりです・・・
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