Bullet of the promise
□第二八話
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「「ええっ!?博士来られなくなったんですか?」」
「マジかよ!?」
「ああ。博士が作ってご近所の方々に配った自動ハムエッグ作り機の調子が悪くて、苦情が殺到しているらしくてね・・・
すぐに修理できると思ったけどかなりかかりそうだから、君達の迎えを僕が頼まれたんだ」
「「「へぇー・・・」」」
「『(あのメカ最初から微妙だったからな/ね…;)』」
「さぁ、お喋りは船に乗ってからだ。早くしねぇと日が暮れちまうぞ」
「「「はーい」」」
沖矢さんが来たことに哀ちゃんの様子を心配する。
船に乗るとき、子供達を無事に乗せるために私は子供達より先に船に乗った。
元太君が沖矢さんと井田さん、江尻さんの手を駆りながら乗船。続いて光彦君、歩美ちゃんと乗っていく。
「足元に気をつけて」
「うん!」
沖矢さんにそう言われる歩美ちゃん。頬をちょっと赤らめちゃって…
少女にも効果的とは…流石イケメン。恐るべし。
歩美ちゃんは私に“友梨奈お姉さん!”と言って手を伸ばしてきた。可愛い。
彼女の脇に手を滑らせちゃんと掴んでから歩美の身体を引き寄せ船に乗せた。
「ほらほら、何してんだよ?君達も乗った乗った」
もたもたしていたコナンと灰原に江尻は声をかけ船に乗るように言う。
哀ちゃんはコナン君の肩を掴んだまま沖矢さんに警戒しているみたい。
ズルッ
「あっ!わあぁぁっ!・・・ッ」
しかし、船に乗ろうとしたとき、哀ちゃんは段差に躓き宙を浮いた。
『哀ちゃんッ!!』
哀ちゃんの危険に咄嗟に必死な思いで彼女に手を伸ばした。
が、それより先に沖矢さんが後ろから哀ちゃんの身体を掴んでくれた。
「ダメじゃないか・・・余所見をしてちゃ」
「え、ええ・・・」
沖矢さんは怒鳴ることなく、優しく彼女に注意をした。
『ありがとうございます、沖矢さん』
哀ちゃんを沖矢さんから受け取りながらお礼を言った。
受け取ったら船に膝を付かせそのまま彼女を強く抱きしめた。
『良かった、怪我はない?』
「うん・・・心配かけてごめんなさい」
背中に小さな手が回ったのを感じ、無事だということを示したら“今度から気をつけようね”と言って体を離し、頭を撫でた。
しかし、哀ちゃんは立ち上がった私の足にしがみついて沖矢さんに視線を送っていた。