Bullet of the promise

□第二九話
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買い物袋を肩に下げ、今日も沖矢さんのもとへ向かう。






「あ!友梨奈お姉さんだ!!」



『?あら?』






聞き覚えのある少女の声に顔を向ける。


すると、ランドセルを背負った小さな影が5つ。こちらに向かってくるではありませんか。

大きく手を振って来る少女たち。いいね〜無邪気で可愛い。








『こんにちは。学校帰り?』



「「「はい!」」」



「友梨奈姉ちゃんは買い物?」


『うん。』



「そうだ!友梨奈お姉さんだったら、いいんじゃない?」



「あ、そうですね!!」



「小林先生よりずっといいしよ!」






歩美ちゃんの突然な発言に首を傾げる。







『何の話?』



「僕たち、今からある場所に行くんです!」



「少年探偵団の仕事で事件の調査をな!!」



「友梨奈お姉さんも一緒に行こう!」



『折角のお誘いだけど、ごめんね。これから用事があるの』



「「「ええ〜・・・」」」



『ごめんね・・・』





誘いに断られ、しょんぼりする子供たち。ごめんねと謝る。ほんとうにごめんね。







「もしかして、あの人のところ?」





哀ちゃんの言うあの人とは、現在工藤邸に住んでいる大学院生、沖矢昴さんのことだ。


その問いに肯定すると、哀ちゃんが不安そうな顔をしたため、“大丈夫よ”という意味の笑みを彼女に向けた。







「しかたねーよ。早く探偵事務所に行こうぜ」



「そうですね・・・」



「うん・・・」



『本当にごめんね。

お詫びに後で何か作って、博士のところに持って行くから!』



「本当ですか!?」



「やったー!!」






さっきまでしょんぼりしていた子供たちは、すっかり元気になり走り出した。
可愛い(二回目)。





「友梨奈お姉さん!またねー!!」



「絶対作ってくれよー!」



「じゃあな、友梨奈姉!」



『気をつけてね!帰り遅くなり過ぎないように!』





走りながら自分に手を振る子供たちに振り返す。



遠くから“はーい!”と彼らの声が聞こえ、影が見えなくなったら、“さてと”と言って、再び歩き出した。
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